トップページ | 通学路防犯カメラの法的問題点(奥津小学校の事例) »

2007年1月 1日 (月)

七夕のドタバタ(1)

 総合病院の救命救急センターから電話をもらったら,誰でも,その患者はもうすぐ死ぬと思うだろう。まして,夜10時の電話である。7月7日夕刻から降り始めた雨は豪雨となり,カーテン越しに遠雷が不気味な光を放っていた。私は,自分の弁護活動上のミスのために一人の男が死に瀕しているという事実の前に慄然としていた。

 

 男の名を仮にムハマンドとしよう。彼は不法滞在のイラン人である。弁護士になって当時2年目の私は,当番弁護士として弁護士会から派遣され,7月7日午後,警察署の接見室でムハマンドと面会した。

 「私には妻が日本にいます。強制送還されたくありません」

 ムハマンドは必死に訴えるが,彼を強制送還から救う方法は無かった。イランに帰っても仕事がないと言われても,答えようがなかった。私は,妻への伝言はないかと聞いたが,イラン人の妻は日本語も英語も分からないというので,同行したイラン人の通訳に伝言を頼み,自宅の電話番号を聞いて,我々は警察署を引き揚げた。外国人の不法滞在事案は,弁護人として打つ手がほとんど無いという意味において,比較的気楽な事件である。当時の私には,そのような考えと多少の慢心があったかもしれない。(小林) (続)

|

トップページ | 通学路防犯カメラの法的問題点(奥津小学校の事例) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/192469/12361853

この記事へのトラックバック一覧です: 七夕のドタバタ(1):

トップページ | 通学路防犯カメラの法的問題点(奥津小学校の事例) »