« 設計上の欠陥を判断する基準 | トップページ | 司法改革と共通一次 »

2007年2月17日 (土)

沖縄米軍基地と繁華街の防犯カメラについて

沖縄は基地の島である。沖縄県民は雇用や消費の面で基地から利益を得ている部分もあるのだろうが,他方,騒音や事故の危険,そして,在日米軍人の犯罪被害者になる危険にさらされている。2007年1月14日にも,在日米軍人の少年が路上で通行中の女性に殴るなどの暴行を加え現金入りのバッグを奪ったとして強盗致傷の疑いで逮捕されたという。この問題に関しては,「米軍犯罪防止ワーキングチーム」が日米共同で定期的に開催されており,米軍側は綱紀粛正を約束しているが,地元商工会や外務省からは,繁華街での防犯カメラの設置を進めたいとの提案がなされている。

商店街や繁華街といった公道・公共の場所への防犯カメラ・監視カメラの設置は,沖縄に限らず日本全国で推進されている。しかし沖縄における繁華街への防犯カメラ設置に特徴的なのは,在日米軍人による犯罪の防止,という明白な目的がある点だ。この点はプライバシー権との関係で問題がないのだろうか。

沖縄にいる外国人は,もちろん米軍人だけではない。米軍人も,商店街や繁華街を通行するときは非番のときだろうから,私服であろう。つまり商店街や繁華街を通行する外国人は,外見上,在日米軍人か否かの区別がつかない。つまり,商店街や繁華街を通行する外国人は,外国人であるというだけで,等しく監視の対象になるのである。

在日米軍人に対するプライバシー権侵害の法的問題は,在日米軍がOKすることによって回避できるけれども,在日米軍人でない外国人については,人種または国籍による不当な差別ではないかという疑問が払拭できない。

もちろん,防犯カメラ・監視カメラには事前の抑止効果を期待するだけで,もし犯罪が起こったら事後的に映像を証拠とするのであれば,以上のような問題は発生しない。しかし,沖縄県民の本心は,事前の監視を求めるだろう。性犯罪や殺人・傷害罪は,事後的な刑事手続や民事手続では救済しきれないからだ。

米軍基地は本土にもあるが,沖縄県民は本土に比べて格段に,米軍基地に起因する危険を多く負っている。その不公平感を本土の人間は無視してはならない。しかも,この問題は本土の人間にとっても対岸の火事ではない。在留外国人による犯罪や社会不安の問題は,欧州の例に照らせば,近い将来,日本にとっても現実の問題となる可能性がある。(小林)

|

« 設計上の欠陥を判断する基準 | トップページ | 司法改革と共通一次 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/192469/13574661

この記事へのトラックバック一覧です: 沖縄米軍基地と繁華街の防犯カメラについて:

« 設計上の欠陥を判断する基準 | トップページ | 司法改革と共通一次 »