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2007年2月 6日 (火)

企業間分業とコンプライアンス

 平成18年2月5日の日本経済新聞「経営の視点 『あるある』が鳴らす警鐘」(編集委員小柳健彦氏)は,非常に示唆に富むコラムであった。

 このコラムは,現在話題になっている「発掘!あるある大辞典Ⅱ」のデータ等捏造(ねつぞう)問題を出発点にしつつ,企業間分業体制下において責任(感)の所在が曖昧になっていることは,放送業界に限らず,製造業を含むあらゆる業界に普遍的な問題であると指摘する。

その例としてあげられているソニーは,このコラムによれば,ノートパソコンに搭載された電池の不具合問題の際,「当初ソニーは消費者への周知や回収の義務は,一時的にはパソコンメーカー側にあると判断していた。これが結果的に消費者への対応を遅らせ,ソニーへの批判を増幅させる一因になった」と指摘している。

部品の製造業者も,その部品に欠陥があれば,原則として,製造物責任法上または民法上の法的責任を負う(製造物責任法2条,4条)。言うまでもなくソニーは世界的な大企業であるから,そんなことは言われなくても分かっている。不良品を製造販売してしまった場合の消費者への告知や回収のプログラムも,必要十分なものが整えられているであろう。問題は,「下請」という意識に阻害されて,このプログラムが発動されなかったことにある。宝の持ち腐れである。

ロボットに関わる企業は,圧倒的に中小製造業が多い。これらの企業は,数年前までは,「下請企業」と呼ばれていた。縦割り・系列の産業構造の中では,下請企業は注文主の要望に応える製品を製造することが至上命題であり,注文主だけを見ていればよかった。ところがロボットの製造に関しては,様々な要素技術を持つ企業が横に連携することが多い。この場合,各企業は,欠陥品を製造した責任を直接消費者から問われることになる。このあたりの意識改革はどの程度進んでいるのだろうか。

製造業者はときとしてコンプライアンスなんて関係ないと思いがちであるが,部品といえども不良品を製作しない,もし製作したときは真摯に対応するプログラムを整えておくことは,立派なコンプライアンスである。そしてソニーの例からも明らかなとおり,このプログラムを発動するタイミングを間違えないことは,大変重要なことである。(小林)

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コメント

「派遣切り」・「2009年問題」・「雇用対策」は何処へ
◆急務は「現在の雇用」
政治(与野党共)もマスコミもジャーナリストも、皆大変だと言葉だけの心配に留まっているように思われます。と言うのは、「労働者派遣法改正案」は見直し審議待ちの足踏み状態で進展しておらず、その先が見えないため、「派遣切り」に歯止めがかかりません。「派遣切り」を加速させている要因は、政府及び厚生労働省の不十分な対応にあるということを理解しているのか疑いたくなります。いったい「雇用対策」はどこへ行ってしまったのでしょうか?とくに製造派遣の「抵触日(3月1日)」が過ぎてしまった現在のわが国において、最重要視されるべき課題はまさに「雇用対策」です。「雇用対策」ができれば、わが国の景気の底支えは可能です。雇用が底支えできれば、将来に対する不安も緩和されます。何といっても一番は「現在の雇用」です。数年先の雇用対策では意味がありません。
◆救済手立ては「雇用創出プラン(福祉雇用)」!
詳細は下記のブログをご参照下さい
◆人事総務部ブログ&リンク集
 http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/

投稿: 人事総務部-ブログ&リンク集- | 2009年3月14日 (土) 11時08分

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