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2007年9月23日 (日)

愛国者法とデビルマン

9月11日深夜,NHKBSの海外ドキュメンタリー「9.11テロから6年」(アメリカWBGH制作)を視た。テロ以降,愛国者法などに基づく広く一般市民を対象にした令状無しの盗聴やホテル宿泊者全員の名簿収集,インターネットの広範な監視などの実態を暴き,これらがプライバシー権を保障した合衆国憲法に反しているのではないかと問いかける番組である。

印象的だったのは,政府側に立つ中国系アメリカ人の弁護士が,「戦争中だというのに,国家が正義のために一般市民を盗聴することが,なぜ問題なのか」と言い放ち,インタビュアーがほとんど絶句する場面であった。

永井豪の代表作「デビルマン」の漫画版をご存じだろうか(以下ネタバレ)。氷河期以来の長い冬眠から目覚めた悪魔族は,機械文明を持たず,数も少ないため,人類に太刀打ちできずにいた。悪魔族の持つ最大の能力は自分以外の生物と合体することであったが,理性を持つ人間と合体すると,悪魔・人間とも発狂して死んでしまう。ところが,悪魔族は無差別に人間と合体し,発狂して死ぬという文字通り一人一殺の無差別テロを行う。もちろん悪魔族の方が少数だから,これだけなら人類が滅びる遙か前に悪魔が滅びてしまう。しかし人類は,善良な一般市民が突然悪魔に変化し発狂して死ぬ事件が頻発し,その有様をテレビが繰り返し放送すると,市民の中に多数の悪魔が紛れ込んでいると思いこむ。

そこで人類は,大規模な悪魔狩りを始め,悪魔と無関係の市民を多数殺害するとともに,悪魔と疑われる市民を通報させる相互監視のシステムを導入する。このシステムは集団リンチを生み,国家同士は相互不信に陥った挙げ句戦争を繰り返し,人類は自滅の道を辿る。

「悪魔」を「アルカイダ」と読み替えれば,1972年に発表されたこの作品は,まるで現代の予言書である。私は,BSドキュメンタリーを見た後「デビルマン」を読み返し,背筋に寒気が走った。(小林)

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