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2007年10月21日 (日)

サービスロボットをめぐる「3つ目の安全」について

以前,サービスロボットが社会と人間に受け入れられるためには,二つの安全が必要であると書いたり講演で話したりしたことがある。その一つは「機械安全」であり,人の生命身体財産に対する物理的な危険を回避することである。具体的には,衝突や挟み込み,落下などの危険を回避するということである。

二つ目は,「情報安全」であり,人の情報に対する安全である。具体的には,プライバシー権や,企業の機密情報などの情報に対する侵害や危険を回避することである。

ところで最近,3つ目の安全の概念も必要ではないかと考えるようになってきた。うまいネーミングはまだ思いつかないが,「判断安全」とでも呼ぶべきものである。これは,ロボットが人間に対して誤ったアドバイスをして,人間の判断を誤らせたりしない,という意味の安全である。逆に言うと,ロボットが誤ったアドバイスをしたことにより,人間が間違った判断をした場合,その人間に対して,ロボットのメーカーやプロバイダーが法的責任を負う場合があるのではないか,ということである。

具体例で言うと,例えばゴルフの「キャディロボット」がいたとして,プレーヤーに,「スライスラインです」とアドバイスをしたら,実際にはフックラインであったためパットを外してしまったような場合である。この場合,プレーヤーに対して,ロボット(のメーカーなど)は何らかの責任を負うのではないか,ということだ。

もちろん,このようなキャディロボットは,あと数年以上は登場しない。しかし,例えば次世代カーナビシステムは,高速道路に合流してくる自動車や,進行方向上の歩行者を運転手に伝える機能を備えることになりそうである。こうなるとこのようなカーナビまたはカーナビを備えた自動車は,立派な一つのロボットといってよい。運転手は,このカーナビのアドバイスを信頼して運転するわけだが,もし,カーナビが(あるいは自動車のセンサーが)前方の歩行者を見落として運転手に伝えず,事故が発生した場合,被害者との関係では運転手が責任を負うことは当然として,カーナビまたは自動車のメーカーにも何らかの責任は発生しないのだろうか。このようなことを考えていくと,案外近い将来に,ロボットの「第三の安全」として,「判断安全」が問題になってくる可能性はあると思う。(小林)

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