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2007年11月18日 (日)

「見守りロボット実用化へ」のニュースについて(1)

平成19年11月9日の毎日新聞朝刊「くらしナビ」に,大阪市立中央小学校で実用化が始まった「街角見守りロボット」が紹介されていた。記事はおおむね「見守りロボット」に好意的であり,今後の課題として,維持費や地域との連携の重要性を指摘している。

もちろん,このシステムに対する意見は好意的なものばかりではない。私の知る限り,エンパワメント・センター主宰の森田ゆり氏は大反対の立場である。同氏は小さな子どもの母親であり,しかも池田小学校事件の起きた大阪府池田市のご近所にお住まいとのことであるから,それでもなおこのシステムに反対することについては,それなりの覚悟をお持ちであろう。また,大阪大学の日比野愛子氏らは,「IC タグによる「子ども見守り」システム―監視社会の情報技術―」と題した論文を発表し,主として監視社会という切り口から,子どもの見守りシステムを検証している。

しかし,これらの議論をプライバシー権という法律的な視点から見るときは,問題点が適切に切り分けられていないため,論点が混乱しているように思われる。適切な切り分けのためには,まず,ICタグリーダとカメラというデバイスの違いに着目することが必要だ。

ICタグリーダは,対応するICタグを装着する子どもの行動を把握するから,このデバイスに関しては,登下校時の位置情報という,子どものプライバシー権が問題となる。

カメラに関しては,対象となる子ども以外の第三者(一般の通行人)が撮影されてしまうため,この第三者のプライバシー権との関係で問題が発生する。

そして第三の問題として,カメラに撮影される子どもの画像を,その子の親以外の第三者が見ることの可否がある。意外に思われるかもしれないが,「街角見守りシステム」を導入する際,全面的に賛成する親御さんも,自分の子どもの画像がほかの親御さんに見られることには,抵抗を示す場合があるのだ。

これら3つの問題は,それぞれ異なる論点であるから,法律上の問題を検討するにあたっては,これらを区別することが必要だ。(小林)

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