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2008年1月11日 (金)

リベラルでリアルな監視社会

見落としていたが、哲学者・評論家の東浩紀氏が、CNET Japanに「リベラルでリアルな監視社会」というコラムを書いていた。

東浩紀氏は、近い将来、「あらゆる教室、あらゆる研究室、あらゆる会議室に監視カメラが設置され、教員や社員の会話を逐一記録している社会」が到来するのではないかと予言する。これはもちろん、「ひとむかし前の想像力であれば、最悪の監視社会と見なされたはずのもの」であるが、東氏の予言する未来の超監視社会は、国家権力がどうとかいう問題ではなく、いじめやパワハラ・アカハラなどで責任を問われないための自衛策として、自主的に設置されるのではないかということだ。

同氏はまた、「少想像力を飛躍させると、2045年の世界においては、各家庭のなかにさえ、児童虐待やDVを自動的に関知し、行政か民間の福祉サービスに通報するシステムが導入されている可能性があると思います。むろん、そのような『暴力防止セキュリティサービス』は、国家が強制的に各家庭に設置するのではなく、ひとびとが、幸せな家庭を作るために、あるいは社会的な信頼を得るために、自発的にお金を払って購入する」ようになっているのではないかと言う。つまり、「私たちの世界は、私たち自身がリベラルで、非暴力的で、良識的で、弱者に優しいがゆえに、一種の監視社会に急速に向かっているように思われます」というのが、東氏の主張だ。

本当にそのような時代が来ることになるかはやや疑問に思われる点もあるが、現在の監視社会化が国家権力がどうのという問題ではない、という認識では、筆者は全面的に賛成である。

該当監視カメラの増加に反対している、いわゆる人権派の弁護士は少なくないが、彼らの基本的スタンスは一様に反国家権力であり、その意味において、現在の監視社会化の本質を見落としている。繁華街に監視カメラを設置したら日本はまた戦争になる、などと言っているうちは、彼ら人権派弁護士は、監視社会化を阻止する何の働きもできないだろう。(小林)

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