ユビキタスセンサーネットワークシンポジウム2008in北海道
2008年2月8日,札幌市でユビキタスセンサーネットワークシンポジウムが開催された。なぜ札幌市かというと,同市の隣にある岩見沢市でRFIDタグと監視カメラを使用した「街角見守りセンサーシステム」の実証実験が行われており,その結果を踏まえ,このようなユビキタスセンサーネットワークシステムを実用化するための様々な課題について話し合うためである。
出席者は森川博之東京大学教授,田倉和男北海道総合通信局情報通新部長,梅田和昇中央大学理工学部教授,黄瀬信行岩見沢市主査,三輪真松下電器産業株式会社理事,そして筆者である。このほか岩見沢市の小学校PTA会長が基調講演を行った。
岩見沢市は,例に漏れず過疎化と高齢化に悩む町である。また,北海道にありがちなことであるが,人口の割に面積がだだっ広い。これに対応するため,市は他の自治体に先駆けて市内に公設インターネット網を張り巡らし,「距離をITで埋める」施策に取り組んでいる。箱モノばかり作って破綻した隣の夕張市とは姿勢が違う。施策の一環として,総務省の補助と松下電器産業の協力を得て,子どもにICタグを持たせ,登下校時の情報を保護者に通信するサービスの実証実験を行ったわけである。
市の主査は町おこしの立場から,小学校のPTA会長は親の立場から,この実証実験を高く評価し,本格実施を待ち望むと発言していた。法律的にはやや疑問に思う点もあったが,これらユーザーの実感というものは,理屈では抗しきれない重みがある。また,ベンダーが想定していなかった問題点や利用目的なども出てくるものである。
パネルディスカッションは大いに盛り上がり,出席者にも喜んで頂けたようであり,はるばる札幌まで来た甲斐があった。懇親会の後,我々はすすき野に繰り出し,私は個人的に日弁連会長選挙の祝杯をあげた。(小林)
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