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2008年2月11日 (月)

企業内弁護士に関するミスマッチについて

平成1929日の日本経済新聞夕刊に、「主要企業の法務担当者と修習生がミスマッチ解消のため意見交換会を開く」という記事が掲載された。

企業内弁護士を求める企業は年々増えてきており、日弁連の調査でも、平成19年末の企業内弁護士数は全国で242人と、前年比1.5倍に増加したそうである(このニュースも日経で報じられた)。しかし、司法試験合格者3000人という大幅増員からすれば、焼け石に水である。企業に需要があるのか無いのか、あるとすれば何故ミスマッチが生じているのか。10年前から存在する議論であり、遅きに失した感はあるが、記事のような取組や調査は、やらないよりやった方がましだと思う。

筆者の知る限り、ミスマッチの原因は「経験値」と「給与体系」の2点である。

まず経験値について言うと、企業の求める企業内弁護士は、法律実務を知っていることが必要だから、少なくとも数年の実務経験者が好まれる。修習生が直ちに企業に就職することは、企業からはあまり求められていない、ということになる。法科大学院を出て司法試験に受かっただけで、企業から特別扱いはしてもらえない。企業側としては当然、司法試験に受かっただけで実務を知らない有資格者を採用するくらいなら、司法試験に受からなかった法科大学院卒業生を大学院卒と同レベルの給与で採用した方が得、と判断するだろう。

他方、数年実務に出た弁護士は、弁護士業のある種の自由さや面白さを覚えてしまうので、組織に入るのが億劫になってしまうところがある。

次に給与体系についていうと、企業側としては、従業員として雇用する以上、給与面であからさまに優遇しにくい、という事情がある。弁護士側にも、苦労して、あるいは借金して法科大学院に入り司法試験に受かったのに、同年齢の大卒と同等に扱われるのには不満がある。

筆者の知る企業内弁護士は、比較的女性が多いように思う。女性弁護士から見ると、企業内弁護士という職種は、対立当事者と闘争しなくてよい点や、家庭との両立の面、収入の安定性の面などに魅力があるのかもしれない。(小林)

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