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2008年3月 6日 (木)

三浦和義氏のイケメン弁護人と法曹人口問題

サイパンで逮捕された「ロス疑惑」の三浦和義もと被告にイケメンのバーライン弁護士が選任された。

今回はこのニュースを法曹人口論の視点から見てみたい。

小学館の日本大百科全書によると,サイパン島は面積122平方キロ,人口7万5800人(2001年現在)の小さな島である。面積でいうと小豆島(95平方キロ)より少し大きく,人口は佐渡島(7万2000人)とほぼ同レベルだ。

そこで,佐渡島に何人弁護士がいるか調べてみると,2007年現在2人である。一人は法テラスであるから,法テラスが設置される前は坂田弁護士お一人の,いわゆる弁護士ゼロワン地区であったと思われる。

一方サイパンには何人の弁護士がいるのだろう。まさか件のイケメン弁護士一人ではあるまい。「サイパンきっての敏腕弁護士」とか言って,実は1人しかいなかった,というのなら笑い話だ。

本年3月3日の読売新聞社説氏をはじめ,法曹人口論に弁護士過疎問題を指摘する人からすれば,サイパン程度の小さな島に,相当数の弁護士がいるという事実は,増員論にブレーキを掛けようとする日弁連や法務省(鳩山法務大臣ら)に対する反論の材料に使える,と考えるかもしれない。

しかし,少し待ってほしい。例えば,サンスポドットコムの記事によれば,バーライン弁護士(43歳)は,「サイパンでは著名な事件を数多く担当し,多くの日本人の弁護を手がけたほか,外国人の刑事事件,労働事件,富豪の遺産相続事件などで手腕を発揮した。現地ではスポーツマンとして知られ,サッカーやラグビーではサイパン代表としてプレーしたほか,ヨットでも地元の大会に出場するなどして楽しんでいるという」とのことである。

バーライン弁護士は筆者とほぼ同年代だが,筆者から見て,とってもうらやましい弁護士である。事件の質量と,生活の豊かさの両面で,同レベルの日本の弁護士としては考えられない豊かさを享受しているからだ。筆者は,日本で同レベル(仕事面と,生活面の両方)の豊かさを享受している弁護士は,殆どいないと確信する。いるとすれば,親が金持ちか,配偶者が金持ちか,悪人か,副業で大いに稼いでいるかのいずれかであろう。筆者だって,著名な事件を数多く担当して,大いに稼ぎ,ヨットが持てて,スポーツを存分に楽しめる余暇を持てるなら,喜んで佐渡島に行く。しかし日本の現実は,そんなものではない。

このような日本(佐渡島)とアメリカ(サイパン)の違いはどこにあるのか。いろいろな見方が可能である。筆者は回答に到達していないが,少なくとも確実に言えることは,弁護士を増やせば弁護士過疎地域が無くなるという議論の底の浅さである。(小林)

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