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2008年3月28日 (金)

パワードスーツ(パワーアシストスーツ)の安全(5)

パワードスーツの設計者として,想定しなければならない事故態様の第一は,「転ぶ」「踏む」だと筆者は思う。これは,ヒューマノイドでも同様である。アシモが子どもの背丈で,成人女性ほどの体重なのは,「転ぶ」という事態を設計者が想定し,転んでも大きな事故にならない限界を想定しているからだと考えて間違いない。もちろん,技術が発達すれば,転ばないように体勢を変えたり,手をついたり足をついたりすることも可能になろうが,その際でも,他人を踏んづけることは避けられない。重たいパワードスーツに近くをうろうろされては,24時間土俵の砂かぶりに座るのと同じほど危険である。したがって,どれほど技術が進歩しようと,「転ぶ」「踏む」は,パワードスーツの避けられない宿命となろう。

「転ぶ」「踏む」という事故が避けられないとすれば,パワードスーツに課せられる本質的安全思想はどうなるか。この問題は,被害者として想定されるヒトを装着者と非装着者に分けて考える必要がある。

装着者との関係でいえば,装着者自身が自分のパワードスーツに踏まれる事態は想定できないから,転んだ場合の安全性を考えれば足りる。具体的には,物理的に防護することと,装着者があるレベル以上の動きをした場合には装着者の動きを優先させる機構とが考えられる。後者の場合はもちろん,装着者自身の筋力でパワードスーツを制御できるほど,パワードスーツが軽量であり,関節が柔らかいことが必要となる。いずれにせよ,装着者との関係では,パワードスーツの重量は,余り大きな問題にならないと考えて良い。

他方,被装着者との関係では,安全を確保する唯一の手段は,転ばれても踏まれても,大事に至らないほど,パワードスーツの重量が軽いことしか,解決策はない。もちろん,非常に重い物を持ち上げたり動かしたりするパワードスーツの場合は,自重も相当重くなるから,このようなパワードスーツについては,被装着者と隔離するほか方策がないことになる。

このように考えてくると,パワードスーツ3原則の第2条は,つぎのようになろう。

「一定以上の重量があるパワードスーツは,非装着者と隔離される。」ここに「一定」とは,将来,識者と政府機関によって画定される必要がある。常識的に考えて,装着者の体重と合計して100キログラムを超えるようなら,そのパワードスーツは非装着者との隔離を要求されることになろう。(小林)

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