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2008年6月16日 (月)

電子タグを利用した個人の位置情報等提供サービスの運用に関するガイドライン(1)

2008年(平成20年)618日,東京明治記念館で,ユビキタスネットワーキングフォーラムシンポジウム2008が開催される。ここでは,異種センサーネットワーク間の相互接続共通プロトコル「OSNAP」の紹介と,標記ガイドラインの紹介とが行われる。筆者はガイドラインの策定にかかわった関係で,ガイドラインの趣旨や内容について,プレゼンを行う。参加費無料なので,この方面に興味がある方は,ぜひお越し下さい。

いまや電子タグは,物に対する正確かつ簡便なトレーサビリティを提供し,物流を支える大きなインフラになりつつある。そして,電子タグは,「物」だけでなく,「ヒト」に装着され,そのトレース(追跡)を行うために使用され始めている。物に装着される電子タグに関しては,既に総務省と経済産業省が策定したガイドライが存在する。物についてガイドラインが存在する以上,ヒトについてガイドラインがないのはおかしい。筆者がこのガイドライン策定にかかわった理由は,一言で言うと,こういうことである。

「普及し始めの技術に,ガイドラインで法律的な縛りをかけるのは,研究者や事業者に萎縮効果を与える。」という意見もあるが,これは誤解だと思う。ガイドラインがあった方が,その範囲内では,研究者や事業者はのびのびと行動できる。この方面の研究者や事業者の話を聞くと,法律的には全然問題がないのに,「これってもしかして違法?」と考えすぎて,萎縮してしまっている人がいる。このような人たちに自由に研究や事業をして貰うためには,ガイドラインは是非とも必要だ。もちろん,研究者の中には,「マッド系」の人がいて,法律的に見るととんでもない人権侵害となる研究を一生懸命やっている。このようなマッド系の人たちには,多少我慢をして貰わないといけない。個人的には,マッド系の研究者は大好きなのだが。

ところで,このガイドライン案は,ヒトに電子タグを装着する場合に関する条文と,電子タグ以外のユビキタス技術,すなわちネットワーク監視カメラシステムまたはバイオメトリクス技術を用いて人を追跡する場合に関する条文の,両方を定めているのが一つの特徴だ。なぜこうしたかというと,カメラやバイオメトリクス技術を用いたヒトの追跡は,法律的には,電子タグを用いたヒトの追跡と同質であり,将来的には,両者が融合していくからだ(そのときには,OSNAPなどの相互接続共通プロトコルなどが活躍するのでしょう)。もっとも,バイオメトリクスは電子タグに比べ技術的に未熟であり,普及にはなお数年待たなければいけないから,このガイドラインも,量的には,電子タグが中心となっている。(小林)

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