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2008年8月 6日 (水)

大阪弁護士会8月6日臨時総会決議について(3)

8月6日の大阪弁護士会総会に上程される,法曹人口問題に関する執行部案,反執行部案は,実はいずれも執行部が起草したものである。執行部が日和って提案を差し替えたことに怒った若手弁護士のグループが,ボツにされた当初案を再上呈したのが,反執行部案だ。当事者は皆大まじめだが,傍から見れば喜劇に近い。しかも,争いのレベルはとても低い。

今回の総会でどちらの案が支持されるにせよ(司法改革推進派は本心では両案否決を望んでおり,その動きもあると側聞するが,その場合でも)それは現執行部に対する不信任投票として以上の政治的意味は持たないだろう。執行部が総辞職でもすれば別だが,マスコミもさほど注目しないと予想する。報道価値があるのは,すなわち面白いのは,「内紛」「分裂」という状態であって,その結末ではないからだ。

しかし,政治的な意味が全然無いわけでもない。今回,反執行部案を支持したのが「若手」グループであり,しかも,その若手が,実はすでに「弁護士大増員時代」の申し子であるという事実は,今までの弁護士会決議を「既得権益を守るギルド社会のエゴ」というステレオタイプで理解し,弁護士会内の分裂を,博物館もののイデオロギー対立と理解してきたマスコミに,新鮮な視点を与えるかもしれない。

筆者は,弁護士会内における法曹人口問題の本質は,左右対立ではなく上下対立,すなわち世代間の対立であると指摘してきた。筆者は,今回執行部が迷走する以前には,世代間融和の契機になるかと一縷の期待を持っていたのだが,結果は,禍根を将来に先送りするという最悪の展開となった。

先輩の弁護士たちは,弁護士会内における法曹人口問題が,世代間対立の問題であることを,本当に理解しているのだろうか。そして,世代間の対立は,いつか必ず若い方が勝つということも。会費格安の第二大阪弁護士会ができたり,弁護士に定年制が導入されるという話も,あながち冗談ではなくなっていると思うのだが。(小林)

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コメント

このブログでは常々、弁護士会の政治的稚拙さを指摘していますが、7月28日の記事によれば今までのような「特権」が与えられていた時代に生まれた弁護士志望者は有能な人材が多数の筈ですよね?
それがこのレベルの低さというのはどういうことなんでしょうか。

政治的に稚拙だというのは要するに頭が悪いということでしょう。
先を見据えた交渉力などの政治的な能力は弁護士にだって必要なはずです。

今までの合格者数が少なくレベルの高い人材が合格していたはずのかつての司法試験で選抜された合格者は、小さな視点に拘って騒ぐだけの法律のお勉強しかできない人材が大多数だったということになりませんか。
だとすれば、玉石混交でもとにかく増員至上主義な司法改革の方がよほどマシでしょうね。

投稿: | 2008年8月 6日 (水) 16時50分

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トラックバック先がくわしく分析されています。法曹人口増大については世代間闘争の側面もたしかにありますね。 ただ、法曹というのは案外二代目三代目の率が高いので、そのひとたちは旧世代側になるのかもしれませんね。... [続きを読む]

受信: 2008年8月 7日 (木) 00時17分

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