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2008年8月 6日 (水)

大阪弁護士会8月6日臨時総会決議について(2)

8月6日の大阪弁護士会臨時総会に上程される,法曹人口問題に関する二つの案は,いずれも大阪弁護士会執行部が起草したものである。しかも2案の間は,たったの2週間である。どちらかを選べと言われる一般会員にとっては,とても迷惑な話だ。「そのくらい自分で決めろよ,何のため選挙までして会長になったんだ」という声が聞こえてきそうである。

なぜこんなみっともないことになったのかは,かなり正確に報道されているように思う。要するに執行部は,当初案が常議員会で否決されると分かり,あわてて提案を差し替えたのである。これを「梯子を外された」と怒ったグループが,ボツにされた当初案を再上程した。たしかに,当て馬にされれば怒って当然だ。だが,全体としてみたとき,これはとても恥ずかしい事態である。

執行部は,当初案が常議員会の圧倒的多数で否決されることを予見できなかった点で,政治的見通しの無さを露呈し,当初案から見れば骨抜きに等しい差替案の策定に応じた点で,政治的信念の欠如を露呈した(筆者が当初案に賛成できないことは以前述べたとおりであるが,それと政治的信念の有無は別問題である)。議決のあとどうするかという戦略的視点など,この迷走ぶりからは窺う術もない。我々にとってとても恥ずかしいのは,3000余名の弁護士を擁する大阪弁護士会の執行部にして,政治的にはとても未熟であることが,内外に明らかになってしまった点にある。

日弁連との駆け引きにおいても,大阪弁護士会執行部はとても稚拙だった。当初案が上程された7月1日,日弁連執行部は「法曹人口問題に関する緊急提言」の原案を公表して機先を制し,ついで18日,その成案を公表した。その後に大阪弁護士会が総会決議をしても遅い。ボールはすでに弁護士会の手を離れているのだ。本日配信された「日弁連ニュース」が裁判員制度の特集号外であり,法曹人口問題に何一つ触れられていないことをみても,大阪弁護士会の動向は,すでに過去のものになったことを示している。

他方,未熟さという点では,当初案支持グループの主張も五十歩百歩である。当初案こそ会員アンケートの多数意見を反映しているから,総会では当初案が採択されるべしと言うが,アンケートが民主的なら総会決議は不要だ。民主的政治意思決定の本質は話し合いであり,これを経ていないアンケート結果には,参考資料以上の価値はない。「会派の締め付け」だろうが何だろうが,政治意思決定に向けた大人同士の話し合いがなされたなら,アンケートよりよほど民主的である。当初案支持グループには,このあたりの配慮が足りない。

もう1点,当初案支持グループにも,「当初案を決議してどうするのか」という戦略的視点が完全に欠けてしまっている。これは執行部の迷走に付き合わされた経緯からしてやむをえないとも言えるが,まるで,決議自体が最終目標であるかのように矮小化してしまったのはいただけない。(小林)

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