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2008年9月 8日 (月)

Googleストリートビューは不気味の谷を渡るか?

Googleストリートビューが賛否を呼んでいる。否定的な見解の多くは,プライバシーの侵害だと主張している。アメリカでは,訴訟も起きているという。

筆者も早速利用してみた。皆さんと同様,自宅や勤務先,実家などを見てみた。3D酔いするので,長時間は見られないが,多くの感想と同様,不気味な感じがした。

この不気味感の本質は何なのだろう,と1月ほど考えてみた。おそらく,本質的にはプライバシーの問題ではないと思う。

もちろん,プライバシーの問題は間違いなくある。グーグルは自動的にぼかされているというが,容貌に限らず人物を特定する画像や,人家の内部がたまたま撮影された場合は,プライバシーの侵害になりうる。ただ,この問題は本質的な問題とはいえないのではないか。高木浩光氏は,「ストリートビューに写った自動車ナンバーは機械判読され得るレベル」であるとか,撮影用のカメラの目線が高すぎて,通常の歩行者には見えない高みからの映像になっているとか主張している。これらの指摘はそれぞれもっともな点を含む。法的に反論しうる点もある。しかし,何となく,この不気味感の本質とは違うような気がするから,高木氏の主張の当否を論じても,ポイントからずれていってしまうような気がする。もし,高木氏が指摘するプライバシー上の問題が全て解決されたとしたなら,この不気味感は解消されるのだろうか?

3D酔いを我慢しつつ,ストリートビューでもう一度自宅を見てみる。平日の昼間撮影されたらしく,人通りが少ない。空だけが妙に明るい。画面をクリックして,周辺を移動する。すれ違う人は顔がぼかされ,幽霊のように見える。見慣れた風景なのに,とても違和感がある。私が見ているのは本当に私の自宅なのだろうか?と思う。

SF少年だったころ,多元宇宙の話を読んだ。この世界は,同じだけれど少しずつ違う世界が無数にあって,そこで自分も生活しているが,やはり少しずつ違う。ある世界では自分は死んでいるし,ある世界では別の女性と結婚している。死後の世界や過去,未来の世界というのは,実は多元宇宙の一つに過ぎない,というようなお話しである。筆者がストリートビューを見て感じる不気味感は,ディスプレイを通して別の世界を見ている感覚に近い。

そうだとすれば,もちろんこの感覚は幻想である。ストリートビューは,要するに現実世界を撮った写真をつなぎ合わせて画像を合成したものである。GoogleMapが上空からの画像であるのに対して,ストリートビューが地上からの画像であるだけの違いに過ぎない。この不気味感が幻想だとするなら,いずれ解消されて,解決可能なプライバシーの問題だけが残り,ストリートビューは広く受け入れられていくのかもしれない。この不気味感は,かつてインターネットや次世代ロボットについて論じられた「不気味の谷」に過ぎないのだろうか。(小林)

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コメント

ストリートビューは実際には削除要請に応じない。
プライバシーを理由にしても防犯を理由にしても応じない。
クレーム窓口なぞ目くらましのインチキ。
あいつらは勝手に他人の家の詳細な画像を世界中の空き巣犯人とストーカーに提供してる。自分たちの金儲けのために市民の安全と平穏を犠牲にして恥じない。
グーグルは邪悪になった。

投稿: クーグルは邪悪 | 2013年2月28日 (木) 21時27分

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The debate about Googles new Street View service in Japan, which sparked criticisms following its launch over a perceived lack of cultural sensitivity, has come back into the spotlight with the recent visit to Tokyo by Google vice president Kent... [続きを読む]

受信: 2008年10月 8日 (水) 00時35分

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