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2008年9月 7日 (日)

事故米偽装転売事件雑感

大阪の三笠フーズが,殺虫剤やカビで汚染された輸入米を焼酎などの原料として転売していたと報じられた。事実であるとすれば,毒入り餃子を転売した中国企業と五十歩百歩のとんでもない話である。

報道によれば,農林水産省は食品衛生法による告発を視野においているという。おそらく,食品衛生法6条(有毒な,若しくは有毒な物質が含まれ,若しくは付着し,又はこれらの疑いがあるものの販売等禁止)違反であろう。罰則は3年以下の懲役又は300円未満の罰金である。意外にも,不正競争防止法による産地偽装の罪(5年以上の懲役若しくは500万円以下の罰金)より軽い。消費者の健康を保護法益とする食品衛生法の方が,刑が重くてしかるべきであろう。

三笠フーズの社長が弁護士同席で記者会見に臨み,偽装が自らの指示であったと認めた。テレビで見る限り,準備不足やうろたえぶりは見受けられなかった。これが弁護士の適切なフォローによるものであったか否かは不明だが。弁護士は,潔く事実を認めた方が,事件の早期収束につながるとアドバイスしたのだろう。ただ,このアドバイスは,社長が一切事実と異なる発言をしないことが前提となる。

もう一つ報道を見ていて気になった点として,消費者行政担当の野田聖子大臣が記者会見したのに,太田誠一農林水産大臣が一切テレビに露出していない点が挙げられる。確かに,どちらかと言えば生産者側に立つと思われる農林水産省より,消費者側に立つ野田聖子大臣が農林省に苦言を呈するという構図の方が,国民目線の政治という印象を受ける。福田首相の置きみやげとなった消費者庁構想だが,本件はその存在意義をアピールする絶好の機会だったと言える。もっとも,単に野田聖子大臣のスタンドプレーであるとか,太田誠一農林水産大臣が記者会見に出ると,話題が事務所経費問題になってしまうからとか,それだけの原因なのかもしれない。

9月6日のお昼,産地不明のうなぎの蒲焼きを愛媛県産と表示して販売した疑いで,愛知県伊予市のうなぎ加工会社「サンライズフーズ」が,不正競争防止法違反で強制捜査を受けた。

沖縄県では9月4日,台湾産マンゴーを宮古島産と偽って販売したとして,通信販売会社「美ら島フーズ」社長と二人の役員を不正競争防止法違反で逮捕した。

事実関係は未確定だが,食品の産地偽装は刑事事件に直結する(ように取扱が転換した)という事実は,食品関係者に銘記して頂いた方がよいだろう。(小林)

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