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2008年10月 7日 (火)

法科大学院統廃合に関する昨今の新聞記事

 筆者としていろいろ意見もあるが,時間もないので今日はご紹介に止めます。

「森英介法相は101日,『(司法試験合格者の)数を増やせばよいというのではなく,受験生の質を上げなければならない。大学に強制はできないが,法科大学院が統合・再編されないと,(20103000人の政府目標は)達成はできないと思う』と述べた」(2008102日日本経済新聞)

「最近の司法修習生は実力にばらつきがあり,下位層が増加している。『疑わしきは被告人の利益に』など基本原則さえ理解していないか,表面的な知識だけで,理解が十分でないため,事案の適切な分析検討ができない者が相当数含まれているのではないか」と最高裁報告書(2008105日共同通信)

「法科大学院は乱立状態であり,今年の合格率は33%と,当初の狙いとかけ離れている。実績がふるわない大学院が淘汰されるのは自然であり,不可避である。20103000人の政府目標は堅持されるべきなのに,このままでは,有能な人材が法曹界に進むのを敬遠し,質の維持は一層困難になる。」(2008106日読売新聞社説)

「合格率78割の目論見が外れた要因は,法科大学院の乱立と過大な入学定員にある。中教審の意見書により,文科省は失策を認めた。法科大学院は大胆な再編と撤退を考える時期である。」(2008105日日本経済新聞社説)

「裁判員制度開始,被疑者国選弁護制度の対象拡大,法テラス登録弁護士の増加,遍在解消,企業コンプライアンス遵守や地域NPO支援,企業や地方自治体内部弁護士など,法の支配を社会の隅々まで行き渡らせるという司法改革の理念を実現するためには,法科大学院における教育体制に見直しが急がれる。そうでないと,『3000人増員』への風当たりが,さらに強まる可能性がある。」(2008914日京都新聞社説)

「(鹿児島大学法科大学院の)采女科長は,『地方の司法の実情を理解し,それらを踏まえて判断できる法曹育成が必要。大都市圏に集中している大規模校の定員を減らし,全国でバランスよく育成する体制が望ましい』と(文科省の方針転換を)批判する。」(2008929日南日本新聞)

「大出良知・東京経済大教授は『実情を知る者の間では法科大学院が着実に成果を上げ始めているという認識が広がっている。もう少し時間をかけて実情をしっかり見極めるべき』と指摘。『社会の隅々にまで法律家の援助の手が届くよう、法律家の数と質を確保するために創設されたのが法科大学院。紆余曲折はあるだろうが、熊本大など地方の大学が果たす役割は大きい』とエールを送る。」(2008919日熊本日日新聞)

「法科大学院の都市部集中は,弁護士過疎解消のための法曹増員という司法改革の趣旨に逆行する。受験回数制限の見直しも検討する必要がある」(2008919日山梨日日新聞社説)

「日本の法科大学院もアメリカに倣い,入学者の過半数が法曹になれる程度の定員に止めるべく,全体としての定員削減がまったなしの課題である。」(2008103日東京新聞『核心』での宮澤節生青山学院法科大学院教授の発言)

「未修コースの合格率が既修コースに比べ2割低かったが,これは丸暗記・反射スピード勝負の短答式試験の比重が高かったからであり,思考力を問う論文式試験の比重を高くすれば,未修コースの合格率は上がる。問題のある法科大学院は退場すべきだが,その規準は合格率ではなく,どんな教育をしているのかに求めるべき」(2008103日東京新聞『核心』での久保利英明弁護士・大宮法科大学院教授の発言) (小林)

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