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2008年10月28日 (火)

法科大学院の潰れる順番

先日,言うことが変節していると指摘したばかりの宮澤節生青山学院法科大学院教授だが,2008年10月26日の毎日新聞「発言席」で,また違ったことを言い出した。今までは,「全校定員一律3割削減(但し,地方小規模校等は例外)」と言っていたのが,今度は,「入学者の最低5割は修了後5年以内に合格できる定員になるよう,毎年定員を見直す(但し,地方の小規模校等は例外)」だそうである。これによると,すでに5割以上の合格率をである大規模上位校は定数削減を免れ,大規模校でありながら合格率の低迷している学校が定数削減を余儀なくされる。教授は,一律3割削減では勝ち目がないとみて,合格率の低い大規模校にターゲットを絞ったようだ。

話がころころ変わる部分は,信用しない方がよい。その人の言いたいことは,ころころ変わる部分にではなく,変わらない部分にある。上述の話で,変わらないのは,「地方の小規模校は定員減するべきではない」という部分である。教授は一貫して,地方小規模下位校の学生よりも,学校の利益を優先している。問題は,地方下位小規模校に在籍しない宮澤節生教授が,なぜ,地方下位小規模校を擁護する発言を繰り返すのか,という点だ。

ところで,27日の山陰中央新報は,島根法科大学院の来年入試の出願者が,昨年からほぼ半減し,定員30人に対して43人にとどまったと報じた。地元出身者の入学金・授業料免除制度も焼け石に水。三宅孝之法務研究科長は,「合格実績の高い都市部の大学への流れが顕著で,地方大学には試練」と厳しい見方を示す一方,「合格者を出すには厳格に選考して優秀な学生に絞る」と述べたという。

「合格者を出すには」という声が悲痛だ。しかし,2,3校の掛け持ち受験が一般的である以上,絞ったところで合格者の大半は都市の上位校に流れるであろう。平成20年度新司法試験の合格率は出願者数ベースで9.76%。学費を免除してもらったくらいで,合格率1割以下の学校に青春の3年間を賭ける覚悟のできる人間はそうそういない。つまり,島根大学法科大学院は客観的にはもう終わっている。学生こそ気の毒である。

年末から来年にかけて,文部科学省の指導のもと,いくつかの地方下位校が統廃合を表明するだろう。そして,地方の下位校が軒並み潰れた後は,都市の(特に首都圏の)中小規模下位校を存続させる理由はどこにもない。つまり,都市の中小規模下位校にとって,地方の下位校は防波堤である。宮澤教授が地方の下位校をさかんに擁護する理由はたぶんここにある。ちなみに,教授が在籍する青山学院大学法科大学院の平成20年度新司法試験合格者15名,合格率は,受験者ベースで24.59%(74校中29位),出願者ベースで17.05%(74校中36位),定員数60名(既修者コース20名,未修者コース40名)である。本題とは外れるが,同学院は既修者コースの学費全額を奨学金として援助する(未修者コースは成績上位者のみ優遇)そうだ。これは未修者コースを重視する教授の立場と矛盾するだろう。(小林)

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コメント

法務博士じゃないナンチャッテ弁護士の戯れ言がウザイ

投稿: | 2014年11月26日 (水) 01時44分

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