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2008年11月14日 (金)

離婚と子の氏の変更

多くの弁護士は日常業務として離婚を扱う。そして,離婚の事後処理として,子どもを父母どちらの戸籍に入れるかという問題がある。筆者は子どもの戸籍業務は通常おこなわず,依頼者に自分でやってもらう。それほど手続が簡単で,弁護士費用をいただく程のことはないからだ。

離婚すると,夫婦は別々の戸籍になる。日本では多くの場合,妻が夫の戸籍を出る。その際,婚姻後の氏を名乗るか,婚姻前の氏(旧姓)を名乗るかを選択するが,同時に,「もとの戸籍に戻る」(多くの場合実家の親の戸籍に戻る)か,それとも,「新しい戸籍を作る」のかを選択しなければならない。

そして,子どもがいない場合や,子どもを自分の戸籍に入れない場合には,どちらを選んでもよいが,子どもを自分の戸籍に入れる場合には,離婚しても,親の戸籍に戻ることはできない。なぜなら,戦後,家長制度を廃止した日本の戸籍制度は,親子三代が同じ戸籍に入ることができないからだ。したがって,子どもを自分の戸籍に入れる場合には,「新しい戸籍を作る」を選択しないといけない。

新しい戸籍をつくってそこに自分が入っただけでは,子どもはついてこない。子どもを自分の戸籍に入れるには,「子の氏の変更」を,家庭裁判所に申し立てないといけない。多くの場合,子どもは未成年で,親権を持つ方の戸籍に移るが,このような場合には,裁判所は簡単に氏の変更を認めてくれる。ちなみに,子どもが15歳以上の場合には,子どもが自分で申立ができる。20歳ではない。15歳未満の場合には,法定代理人(多くの場合親権者)が代理人として申立を行う。以上のことは,子どもが成人していて,離婚前の戸籍から独立していなかった場合も同様である。

少しややこしいのは,離婚しても,旧姓に戻らない場合はどうか,という点だ。実はこの場合でも,子どもを自分の戸籍に移す場合には,「子の氏の変更」の申立を行う。

注意しなければならないのは,二人以上の子どもがいる場合,一方を旧姓,他方を婚姻後の姓にしつつ,同じ戸籍に入れるということは不可能だし,親と子が同じ戸籍に入りつつ別の姓を名乗ることは不可能,という点である。これは,日本の戸籍制度が「同一戸籍同一氏(うじ)」を前提としているためである。(小林)

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