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2008年11月15日 (土)

うなぎ蒲焼偽装事件で逮捕

遅すぎたと言うべきか,本年6月末に発覚したうなぎ蒲焼偽装事件で,魚秀の元社長と福岡営業所長,神港魚類の元担当課長,高松市の水産卸販売会社元専務とその弟,東京都の商社社長の6名を逮捕し,高知県南国市の水産加工会社社長と同社役員の逮捕状を取ったと報道された。容疑は,不正競争防止法違反であり,詐欺罪ではないらしい。

すでに当ブログで触れたことであるが,この事件は,一見,うなぎ蒲焼という特殊な食材の事件でありながら,食の偽装に関わる様々な問題が凝縮しており,なぜ偽装が無くならないのかを教えてくれる。

本事件の背景は大別して二つある。一つは,国産うなぎの蒲焼が,中国産に比べて極端に高いのに,その割には,味に差がない点にある。言い換えれば,国産に対する信仰に近い信頼が,偽装の動機となった。

本事件の背景の二つ目は,ルールの曖昧さが,偽装の蔓延を許してきたことである。驚くべきことに,うなぎに限らず,養殖水産物の原産国表示基準に関しては,法律上の規準も,省令・通達上の規準もなく,「原産地表示に関する基本的考え方(一般ルール)」という農林水産省の根拠無き見解だけがルールであり,その適用範囲も曖昧だった。これがうなぎそのものの偽装を横行させ,蒲焼にも波及した。これは推測であるが,ルールを曖昧にしておくことは,農林水産省にとっても,業界にとっても,そして政治家にとっても,利益だったのだろう。

2007年以降頻発したうなぎ(蒲焼きを含む)偽装事件では,多数の企業が摘発されているが,その中で刑事事件に発展したのは,今回の事件が2例目である。その根拠は,今回の偽装の手口が,他に突出して悪質だった点にある。もっとも,悪質と言っても,とても稚拙であり,「モノ」「カネ」「カミ(帳簿・伝票)」を追えば,容易に露見する程度の偽装だった。

魚秀の社長と福岡営業所長,詰め替えとラベルの張り替えを実行した高松市の水産卸販売会社元専務とその弟は覚悟の逮捕だろうが,神港魚類の元課長は一貫して容疑を否認しているという。しかし報道を見る限り,元課長が実情を知らずに取引していたとは思われない。

他方,徳島県に本社を持つ魚秀の親会社は,現時点では疑惑を免れたようである。報道によれば,魚秀はこの親会社の100%子会社であり,前社長は親会社社長の子息(たぶん)であり,逮捕された中谷社長は親会社の従業員でもあり,親会社の一角に魚秀の事実上の営業所が置かれていた。これだけ緊密な関係にあったのに,今回の事件では無関係と判断されたようである。また,理由は分からないが,「帳合」という取引方法で偽装蒲焼の流通に関わったとされる東京の商社2社のうち,一社の社長のみが検挙された。その理由は明らかでない。

私の見る限り,今回の偽装事件の中心人物は,魚秀の中谷社長や神港魚類のもと課長ではなく,高知県南国市の水産加工会社社長と同社役員である。社長は中国名であり(国籍までは分からないが),役員は中国に名の知られたうなぎブローカーだった。同社や,これらの社長や役員のことは,なぜか,いままでほとんど報道されていない。しかし,本件の真相を明らかにするためには,この2名の身柄確保が是非とも必要である。また,この事件が不正競争防止法違反で終わるか,詐欺罪での起訴にこぎ着けられるかは,この2名の供述にかかっている。この2名がなぜこの時期に中国に行っているのか分からないが,少なくとも,行かせてしまった捜査当局の落ち度は否定できない。(小林)

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