« DISTURBIA(DVD鑑賞) | トップページ | 「できそこないの男たち」福岡伸一著 光文社新書 »

2008年12月26日 (金)

社会還元加速プロジェクト

12月24日,内閣府主催の社会還元加速プロジェクトタスクフォースが開催されたので,委員として出席してきた。この会議は,各省庁が応援している最先端の技術開発をとりまとめ,ニーズと実現性の高い技術に重点的に予算を配分し,早期の社会還元を目指そうとするものである。

この日厚生労働省からは,「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)による障害者自立支援機器の開発」と,アルツハイマー病や認知症の予防・発見・治療研究の現状が報告された。

BMIとは,考えただけで機械を操作する技術である。現時点でも,考えただけで機械のスイッチを入れたり,マウスを動かすようにポインタを移動させたりする技術が実用化されている。厚生労働省としては平成22年頃を目標に,BMIを老齢者や障害者の生活支援に使いたいとしている。現時点では正確性や反応速度などが未熟だが(考えただけで動くワープロもあるが,1文字表示するのに7秒かかる),すごい技術ができたものである。

経済産業省からは,生活支援ロボット実用化プロジェクトへの取り組みが報告された。ただ,資料に貼付された写真がHALとトヨタのモビリティロボットの2枚であったため,介護関係の委員が多いこの会議では,この2枚の写真がなぜ生活支援なのか?もっと介護の現場に特化したロボットはないのか?という,かなり厳しい指摘が飛び交った。このあたり,産業一般の振興を目的とする経済産業省とのスタンスの違いに起因することなのだろう。

また,経済産業省としては,安全技術や運用安全上の基準作りが課題と述べたのに対して,ある委員から,どのような法体系による規制を考えているのかという質問があった。しかし,ロボット産業の育成という見地からは,事前の法規制はなるべく抑制するべし,という視点も大切だと思う。まず規制ありきというお役人的な発想はそろそろやめた方がよい。

気になった点としては,前回まで出席していた総務省が今回出席しなかったこと。会議全体の印象としては,各省の予算要求上のお墨付きとして今回の会議が開催されたと見受けられるが,今年度は総務省として関連予算を要求しなかったことが,今回の欠席につながったように思われる。

弁護士は組織と無縁で仕事をしているため,このあたりの実際にはとても疎いのでよく分からないが,お役所仕事というのは,良くも悪くも,このようにして進んでいくのだろう。(小林)

|

« DISTURBIA(DVD鑑賞) | トップページ | 「できそこないの男たち」福岡伸一著 光文社新書 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/192469/43520516

この記事へのトラックバック一覧です: 社会還元加速プロジェクト:

« DISTURBIA(DVD鑑賞) | トップページ | 「できそこないの男たち」福岡伸一著 光文社新書 »