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2009年1月 5日 (月)

伊藤ハム事件を振り返る(1)

伊藤ハム東京工場の地下水からシアン化合物が検出された事件に関し,同社は12月22社長,東京工場長など9名に減給,降格,出勤停止などの処分を行い,25日に調査委員会報告書を公表した。事実上の終結宣言と思われるが,我々はこの事件から何を学ぶべきか。報道等と伊藤ハムの公開資料をもとに,おさらいしてみる。

第1報は10月25日,NHKニュースである。日経テレコン21によれば4放送。まとめると,9月18日に実施された3ヶ月毎の定期検査で,3本のうち2本の井戸から基準値の2~3倍の「シアン化物及び塩化シアン」を検出したため,同日から水源切替前の10月14日にかけて製造した食品(13品目194万個)の自主回収を公表した。

初めて異常値が確認されたのは9月24日,再検査結果判明は10月2日,担当者から工場長に報告されたのは15日,担当保健所に相談したのは23日,直ちに公表を指示されたにも関わらず,生産事業本部長が記者会見を行い,自主回収を公表したのが25日午後8時。もちろんこの報道は伊藤ハムの記者発表に依存しているから,真実かどうかは確信できない。この報道発表に基づき,初めて異常値が確認されてから1ヶ月以上放置されたことに非難が集中し,生産本部長は「不適切な対応だった」と謝罪した。

この時点では報道にもやや混乱がある。25日のNHKニュースでは,2本の井戸のうち1本は使用を再開しているとあり,また,26日の報道では保健所の検査で異常は発見されなかったと報じられているが,28日の報道には,保健所の再検査で27日に基準値の約2倍の塩素酸が検出されたとある。これを受け,伊藤ハムは28日,東京工場の稼働停止と,外部有識者を交えた調査対策委員会を立ち上げると発表した。すでに15日に水源を切り替えている以上,今さら工場の稼働停止が必要なのかという気もするが,このとき同時に同じ工場で生産されたウィンナーから異臭がするとの苦情があり,微量のトルエンが検出されたことを受けての稼働停止であろう。この二つの事件が偶然であるなら,「最悪の危機は必ず最悪のタイミングで起きる」というマーフィーの法則(?)を地で行く展開である。

調査委員会のメンバーは11月1日に公表され,4日に第1回会議が開催された。委員の中には西村あさひ法律事務所の川合弘造弁護士もいるが,その代理として主に出席したのは同法律事務所の尾崎恒康弁護士だ。議事録によれば,原因特定の方法と,管理体制に関する問題が協議され,その中には,「異常データを把握しながら,組織の報告ルートを通して情報があがらなかったことが重要な問題の一つである」との指摘もある。翌5日の記者会見には,河西力社長が事件発生後初めて出席し,「危機管理マニュアルはあったが,それが実現していなかった」と謝罪した。(小林)

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