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2009年2月 6日 (金)

日弁連はなぜ負けたのか(総会編 3)

平成61221日日弁連臨時総会(3

この日の日弁連臨時総会は紛糾を極め,ヤジと怒号が渦巻く,荒れた総会となった。執行部案に対しては,「日弁連として700人への増員を認め,その合格者がまだ弁護士になっていないうちから,なぜさらなる増員を言うのか。増員するとなぜ司法改革が推進されるのか理解できない。」(藤浦龍治弁護士 京都),「三重県では弁護士会館を建設して法律相談窓口を開設したが,相談は少ない。執行部が言うような法的ニーズは本当にあるのか。」(加藤謙一弁護士 三重県),「執行部はマスコミに対して反論しているのか。司法改革のため法曹が血を流すべきとNHKが言ったようだが,軍国主義者の発言ではないか。700名に増やしただけで,質の低下,すなわち常識の欠乏や社会経験の欠如が明らかではないか。」(高見澤昭治弁護士 京都)「合格者が増えるとなぜ裁判官が増えるのか」(野間啓弁護士 東京)といった質問が相次ぐが,議長は不規則発言への対応で忙しく,野間弁護士の質問は,無視されてしまう。野間弁護士自身は1215日付朝日新聞の「論壇」に,弁護士増は質的低下と生活基盤の弱体化による乱訴と一層の訴訟遅延を招くとの意見を投稿している。

質問者の中,高見澤昭治弁護士は,原爆症認定集団訴訟や,ハンセン病国家賠償訴訟に積極的に関わり,近年では,イラクの人質問題でバッシングを受けた3人の人質の弁護を努めたこともある有名な人権派弁護士だ。

その後意見の応酬となる。

執行部案支持者の意見としては,「二割司法の現状を打破するには,裁判官の大幅な増員が決定的に重要。被疑者国選等の人的整備にも着手せず,被疑者国選制度が実施できるわけがない。条件闘争ばかりでは,法曹一元を目指すというような司法改革の実現は百年河清を待つに等しい。弁護士人口増に消極的な立場に立つこと自体が,国民の目に司法改革つぶしと映っている。」(佐藤真理弁護士 奈良),「(当番弁護士制度で成功したように)自ら努力して国民の支持を受け,堅牢な司法を改革するという手法は堅持すべきである。法曹人口問題で日弁連は後手に回っている。積極的に対応する必要がある。」(丸島俊介弁護士 東京)「反執行部案支持者の論調は,要するに弁護士人口が増えれば食えなくなるということだ。被疑者国選,法律扶助,弁護士過疎,法律相談の充実も,弁護士人口が増員していく中でこそ実現される。国民の立場に立ってと言うなら,新聞の社説を謙虚に聞くべきではないか。」(川中宏弁護士 京都弁護士会会長(当時))などというものである。執行部案を支持した丸島俊介弁護士は,現在,日弁連の事務総長を努めている。(小林)

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