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2009年2月 9日 (月)

日弁連はなぜ負けたのか(総会編 4)

平成61221日日弁連臨時総会(4

司法改革を推進するためには弁護士の増員が不可欠とする執行部案支持者の意見に対し,反執行部案支持者の意見としては,「執行部案は結局弁護士だけの増員を招き,分離修習,統一修習,弁護士自治を害する」(永田恒弁護士 長野)(上野登子弁護士 二弁)(宮﨑乾朗弁護士 大阪 故人)というもの,「弁護士活動の根底には在野精神と法曹一元の思想がある。そのために,冤罪事件や公害事件など,カネにならない弁護をやってきた。一般市民の権利救済環境が整備されていない日本で弁護士人口だけ増やすことは,在野精神と法曹一元の思想を失わせる。」(今井敬弥弁護士 新潟)「ギルドだエゴだと批判するマスコミに盲従してはならない。現在の問題は何よりも司法の現場の最も近い専門家として,みずからが法曹人口について確固たる見解を示すことだ」(友光健七弁護士 一弁)という主張が主たるものである。

長野弁護士会の永田恒治弁護士は,松本サリン事件で,被害者にして第一容疑者の濡れ衣を着せられた河野義行氏の弁護を努めた硬骨漢である。

ものすごいヤジ合戦だったようであり,議事録上は,宮﨑乾朗弁護士が名指しでヤジを止めろと言われている。同弁護士は民暴事件のエキスパートであり,赤ら顔に白髪の長髪をなびかせ(大阪弁護士会では『ライオン丸』と呼ばれていた),どちらがヤクザか弁護士か,という外見で,カラオケでスピーカーを壊した(もちろん声だけで)という大声自慢の名物弁護士だった。こういった強烈な個性の持主はいなくなったと思う。

また,反執行部案支持者の意見としては,「今の執行部が,会員がどれだけ苦しい思いをしながら,生活におびえながら国民の人権を担っているかということについて,なめて政治をやったんだ。君たちのやったことは政治だ。辞職を要求する。600人になった今でも,すでに失業者がでているじゃないか。10年くらいの間に2倍,3倍にしたら,弁護士は全部つぶれるんだよ。職業は残るが,自立した職業ではありえない。どこか不動産屋に勤めるだろうまもなく。いいか,そうやってほざいているのはいまのうちだ。」(山根二郎弁護士 長野)もご紹介に値する。下品だから,ではなく,ある意味ではその後の弁護士の有り様を的確に予言したと言えるし,また,現在の法曹人口増員反対論者の主張と全く同じともいえるからである。もっとも,当時の合格者数の3倍を超えた現在,山根弁護士の予言が当たったか否かについては,多少の疑問符が付くというべきだろう。しかし,完全に外れたとも言い難い。(小林)

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