« 日弁連はなぜ負けたのか(総会編 11) | トップページ | 日弁連はなぜ負けたのか(総会編 13) »

2009年3月 2日 (月)

日弁連はなぜ負けたのか(総会編 12)

平成7112日日弁連臨時総会(4

司法試験合格者数年1000人を容認しようとする執行部案に対する賛成意見の概要は,次の通りである。

「法曹人口の増加は,司法改革を実現していく上で最も必要な条件の一つであり,増員反対論は司法改革の流れに反する。成算のない玉砕論であってはならない」(田辺宜克弁護士福岡弁護士会現会長),「若手会員,マスコミ,法務省と最高裁,この三者との連係しつつ司法改革を推進するためには執行部案しかない」(児玉憲夫 もと大阪弁護士会会長),「弁護士はニーズに応えられる数を充足しているとの主張は,国民に受け入れられない」(奈良道博もと一弁会長),「関連決議が,弁護士のギルド的職域保護主義として受けとめられ,それまで比較的好意的であったマスコミの論調も冷ややかなものになった」(久保利英明もと二弁会長),「世論,マスコミ,法曹三者の合意を基本に据える必要がある」(平山正剛もと東弁,日弁連会長),「800という数字では,日弁連がもう法曹養成制度改革協議を決裂させる意思表示をしたというふうにまた市民から誤解されて孤立化を招く」(岡本敬一郎弁護士 二弁),「地方では弁護士が不足していることは明らか。国民との結びつきを深め,国民的基盤を強化していくことが重要」(佐藤真理弁護士 奈良)

発言者には,この後各地方弁護士会の会長になる人が多い。

執行部案賛成派,反対派は,歯止め無き増員,丙案,分離修習と修習期間短縮の阻止,という目的では共通していることが分かる。違いはその方法論である。執行部派側から言えば,反対派の主張は玉砕論であり,現実的妥協が必要ということになる。

採決の結果,執行部案約5700,反執行部案約3600で,執行部案が可決される。5時間半かかったが,平成6年(1994年)1221日の総会ほどは荒れなかったし,前回のような密約もなかった。両者の差は2100と,前年より開いた。つまり,委任状争奪戦で勝負はついていたのである。このことは,当時の日弁連の重心が,前年の闘争路線から現実妥協路線へと移動したことを示している。(小林)

|

« 日弁連はなぜ負けたのか(総会編 11) | トップページ | 日弁連はなぜ負けたのか(総会編 13) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/192469/44147033

この記事へのトラックバック一覧です: 日弁連はなぜ負けたのか(総会編 12):

« 日弁連はなぜ負けたのか(総会編 11) | トップページ | 日弁連はなぜ負けたのか(総会編 13) »