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2009年3月 4日 (水)

日弁連はなぜ負けたのか(総会編 13)

平成7112日日弁連臨時総会(5

日弁連全体が一致団結しているところを示せば,世論を味方に付けることができると考えた,愚かな画策によって,平成6年(1994年)1221日臨時総会の関連決議のシナリオが書かれ,圧倒的多数で可決された。

しかし,関連決議は会外の誰からも支持されなかった。それどころか,弁護士のギルド的エゴ論は高まる一方だった。それにもかかわらず,土屋公献執行部は関連決議の具体化を喜々として進め,平成7年(1995年)6月ころから,外部に発信し,総スカンを食う。そのうえ,「高い筋」から,「日弁連がこれ以上駄々をこねるなら,弁護士法72条を改正して,弁護士による法律事務の独占を止めさせる。強制加入団体性も廃止する」という,かなり明確なメッセージが発せられた。これにびっくり仰天した土屋公献執行部は,平成7年秋に,現実妥協路線へと180度の方針変更を行う。これを弱腰と取るか,やむを得ぬ選択と取るかが問われ,会員の多数は,路線変更を支持した。これが,平成7112日の臨時総会である。

土屋公献執行部にしてみれば,苦渋の選択だったかもしれないが,そこまで苦労して支持を得た決議案はどう評価されたか。

実は,臨時総会の冒頭質問で,執行部案の将来は的確に予言されていた。「執行部は,執行部案が法曹養成制度等改革協議会で少数説として無視されることを承知の上で提案しているのか」(坂井尚美弁護士 大阪),「改革協では抜本的改革案はまとまらない」(岩井重一弁護士 東京)。そして,そのとおりになった。平成71113日の法曹養成制度等改革協議会の意見はまとまらず,1500人の多数意見と,日弁連の提言した1000人の少数意見の両論併記に終わる。この意見書には,「今後、法曹三者は、本意見書の趣旨を尊重して、真に国民的見地にたった司法試験制度及び法曹養成制度の抜本的改革を実現させるため、直ちに協議を行い、速やかに具体的な方策を採らなければならない。」という附帯条項がついた。つまり,法曹三者がコップの中で角突き合わせるのはいい加減に止めなさい,ということである。14日の東京読売新聞は,「司法試験改革 具体的増員策示せず 説得力欠く意見書」と批判した。土屋公献日弁連会長が全力で阻止すると宣言した丙案も,平成8年(1996年)からの実施が決定される。

日弁連が800人への固執を捨てた点を評価する新聞の論調は多少あった。しかし総じて言えば,平成7112日の臨時総会決議は,無駄に終わったのである。(小林)

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