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2009年3月27日 (金)

日弁連はなぜ負けたのか(総会編 17)

平成91015日日弁連臨時総会(3

まずB’の,三者協議決裂やむなし,という意見としては,「戦前の官尊民卑を克服し,民主的法曹を育てる制度としてスタートした司法修習制度の中心は実務修習であり,これには最低2年間の期間が不可欠である。修習期間1年半を認める執行部案は,残りの6ヶ月で裁判官・検察官の独自修習を想定するものであり,戦前の分離修習への道を開くものであって,司法官僚制確立の一手段であり,法曹の質を低下させる。これと闘っても負けるという執行部案の議論ほど偽りに満ちたものはない。日弁連は正論を国民に訴えるべきであり,国民に理解されないはずがない。現時点で成功していないのは,日弁連全体で国民に本気で訴えかける運動をしていないから。執行部の翼賛体質を改めさせないといけない」(上野登子弁護士 二弁,岡村茂樹弁護士 埼玉,瀧康暢弁護士 愛知,池本誠司弁護士 埼玉,武内更弁護士 東弁,北條神一郎弁護士 埼玉,佐久間敬子弁護士 仙台,野間美喜子弁護士 愛知,前田知克弁護士 二弁),などがある。

これに対してA’の現実的な戦略をとるべきだとの意見としては,「反執行部案の意見はまことにもっともだが,実現可能性がない。国民の支持も得られていない」(金子光邦弁護士 東弁),「重要なことは修習期間ではなく修習の質。三者協議を決裂させることは,弁護士会の修習への取組の障害になる」(古口章弁護士 東弁)などがある。

また,A’’法曹一元のためには,執行部案を支持するべしとする意見としては,「矢口洪一元最高裁長官でさえ,法曹一元を採用すべきであると述べている」(川中宏弁護士 京都),「日弁連が法曹一元実現のため国民運動を起こすことが執行部案の延長にあると構想して,執行部案を支持する」(斉藤浩弁護士 大阪),「弁護士はまだまだ足りない,研修弁護士制度を積極的に発展させて,日弁連が法曹養成の担い手になるべき」(吉野正弁護士 福岡)「元最高裁長官やマスコミの論者も,真っ正面から法曹一元の必要性を訴えている。ここ3,4年こそが大きな司法改革,法曹一元に向かって前進する好機」(中村洋二郎弁護士 新潟),「私が執行部案を積極的に支持するのは,研修弁護士案が入ったから」(高野嘉雄弁護士 奈良)などがある。

これに対して,B’’法曹一元論は法曹人口増や修習期間短縮とは無関係という見解としては,「最高裁と法務省は戦後50年間続いた司法養成制度,統一修習制度を根幹とするこれを壊そうとしている。戦前の日弁連が戦争に翼賛していった一つの大きな根幹に,分離した不平等な修習による害悪があったことは,だれでもが認めるでしょう。執行部は法曹一元と言って,そこから目をそらしています」(鈴木達夫弁護士 二弁)などがある。(小林)

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