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2009年3月16日 (月)

事故米事件を反省するなら(4)

余談になるが,事故米事件は政府の陰謀だとする見解に触れておく。

これは,「物品(事業用)の事故処理要領」において,「事故品」の売却処理手順を定めた「第44の(2)」に,「事故米穀を主食用として卸売業者に売却する場合において」と記載されていることを根拠に,「事故米穀を主食用として売却することは政府の方針だった」とする主張である。

平成20年(2008年)1025日付「しんぶん赤旗」で報じられ,同月31日の東京新聞でも報道された。共産党の紙智子参議院議員は,平成20年(2008年)1113日の参議院農林水産委員会でこの点を取り上げ,誤記ではありえないと政府を追及した。この問題は裁判の世界にも波及しており,平成20年(2008年)1126日の新潟日報によると,事故米穀を不正転売したとして買主から7億円超の損害賠償請求訴訟を提起された新潟の島田化学工業は,「事故米澱粉の食用販売は農水省方針に添った扱いだった」と主張した。

こうなると冗談ではすまされないが,「物品(事業用)の事故処理要領」上に「事故米穀を主食用として卸売業者に売却する場合において」とあるのは,文脈上明らかに「事故品を主食用として…」の誤記であり,政府の陰謀と大騒ぎするほどのものではない。それでも「事故品を主食用として売却するのはけしからん」という主張は成立しうるが,それは「事故品」の定義の問題にすぎない。島田化学工業に弁護士が就いているのか否かは知らないが,就いているとすれば,その弁護士は愚かな主張をしたものである。(小林)

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