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2009年3月18日 (水)

事故米事件を反省するなら(5)

事故米事件をシンプルな視点から見直すなら,第一の問題は「なぜそれを防げなかったのか?」であり,それは前回までに述べた。

第二の問題は,「なぜもっと早く摘発できなかったのか?」である。

三笠フーズの事故米穀不正転売は,平成20年(2008年)822日,農水省福岡農政事務所の「商品表示110番」宛になされた匿名の電話と,同月27日になされたより詳細な通報がきっかけで摘発された。

しかし,その前年の129日,農水省関東農政局東京農政事務所宛,三笠フーズを告発する匿名の投書があった。22日には再び投書がなされている。この時適切な対応がなされていれば,1年半早い摘発が可能だった。

129日の投書は,次の内容である(伏せ字は農水省によるもの)。

「前略 突然の手紙で,失礼いたします。 沖縄,鹿児島●●に焼酎原料として売込みの話があるもち米の件で,お尋ねいたします。 このもち米は平成1811月頃インターネットで見ました15年度産の残留農薬0.05%と発表されたもち米と同品ですか? (同品だとしたら別紙同封の分析表は他の米とブレンドして分析したデータか?) ●●中国もちJH-002 (●●?,●●?)●●中国もちZL-014 (●●?,倉庫?)」

22日の投書は,次の内容である。

「東京農政事務所 消費流通課 殿 広島,岡山方面に米菓用で売り物の話が出ていますもち米の件,この品は500トンから800トンくらいあると聞いていますが,売主の分析表を見ると九州方面にあるようです 通常価格の半分くらいの値段で売物がでています。 残留農薬0.01%以下はOKとなっていますが通関の切れた品を何のために分析をしたか。 価格を見ると事故品等で飼料用か工業用アルコール用で売却された品物ですか。 米菓原料卸売業から」

両方の投書とも,厚生労働省が三笠フーズ宛に発行した米残留農薬の検査成績書が同封されており,それには平成19年(2007年)112日付で,メタミドホス「不検出」(0.01ppm未満)との記載がなされていた。また,問題となっている中国産もち米は,東京農政事務所が平成19年(2007年)1117日に三笠フーズに売却した事故米穀約500㎏である。

投書を受けた東京農政事務所は,この500㎏について横流しがないかの調査を福岡農政事務所に依頼し,130日から25日にかけて検査したところ,結果的に米3袋の不足が判明したが,全部で16665袋のうち3袋であって少量であり,数え間違いも考えられる上,業者間の取引では10トン単位が通常であることから,横流しの事実はないとして処理された。

このとき,適切な検査がなされていれば,事故米事件は,これほどの大問題にならなかったかもしれない。(小林)

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