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2009年4月14日 (火)

アシモやタチコマは自動車か?(1)

現在,日本ロボット工業界(JARAの委託で,「サービスロボット運用時の安全確保のためのガイドライン」策定に関わっている。会議でいつも問題になるのは定義規定の文言だ。特に,自動車との関わりが難しい。すでに自動車はロボット化しつつあり,他方,歩行するロボットが街を闊歩する日も遠くない。では,移動手段として車輪を使用しないロボットは,法律上自動車にあたるのだろうか。また,車輪を利用するロボットの中で,自動車に比べればとてもゆっくりとしか移動しないロボットも,法律上自動車として扱われるのだろうか。自動車に関しては,すでに様々な法規制が存在する。とすれば,移動する次世代ロボットも,自動車に関する法規制に服するのだろうか。

自動車の定義に関する主な法律は,道路運送車両法と,道路交通法だ。自動車の所有者や運転者の法的責任に関する法律も,自動車の定義に関しては,道路運送車両法と道路交通法を引用している。

まず,道路運送車両法が定義する自動車は,原動機を動力として陸上を移動するものであれば足り,車輪による移動に限定していないし,速度に関する条件もない。道路「運送」車両法という法律名だが,定義規定上は,人や物を搭載することを条件にしていない。だから,陸上を自力で移動するロボットは,ただ自律的に移動するだけで何も運送しなくても,道路運送車両法の規定する自動車に該当すると解される。そして,原動機の種類や出力,2輪か否かによって,「自動車」か「原動機付自転車」かに分類されることになる。タチコマが自動車で,アシモが原動機付自転車なんて,感覚的にはおかしな話だが,法律の定義上はそうなる。

次世代ロボットが,道路運送車両法上の自動車に該当する場合には,自動車登録ファイルへ登録しなければ公道における運行が禁止される(法4条)ほか,登録が所有権移転の対抗要件になる(法5条)など,様々な規制に服する。

一方,次世代ロボットが原動機付自転車又は軽車両に該当する場合には,道路運送車両法上,サイズ及び接地部と接地圧について国土交通省令の定めに従うほか,同省令所定のブレーキ,前照灯,クラクション,方向指示器などを備えなければ,公道における運行ができない。

ちなみに,セグウェイは,道路運送車両法上の原動機付自転車に該当するから,上記の様々な器具を備えていない以上,道路での使用が禁止される。ムラタセイサク君も,ムラタセイコちゃんも,道路運送車両法上は原動機付自転車にあたる。(小林)

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