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2009年4月15日 (水)

日本国は破産しない…のか?

 本日(2009年4月15日)の日本経済新聞朝刊コラム「大機小機」は意味不明だ。

主旨としては、政府は景気対策のため、赤字国債発行を怖れるな、ということであり、それ自体は一つの考え方として理解できる。分からないのは、「日本国は破産しない」という論拠だ。

コラムによると、「所得を上回る借金を抱え、それが年々増加するなら、民間企業であれば破産する。しかし国の借金と企業の借金とでは全く違う。国の公債が多いということは、国民が公債を買い、その金融資産が増えるということである。だから国は破産しない。」のだそうだ。さっぱり分からない。

文字通り解釈すると、国の債務が増えても、その分国民の資産が増えるから、バランスシートの総額は変わらない、という趣旨だろうか。これは、「日本国」というあるひとつの実体を想定して、バランスシートが1枚しかない、という考えを前提にしている。しかしそれなら明らかに間違いだ。仮に「日本国」という何らかの実体を想定できるとしても、「政府」と「国民」は別のバランスシートを持っている。国が返済期限を過ぎても借金を返さない場合、「日本国」のバランスシート上は全く問題ないが、国債を買った国民は、とても困ると思う。これを「国が破産した」というのだ。もし、「日本国」という1枚のバランスシート上の辻褄さえ合えばよいというなら、国債を全部無効にして、国の借金を帳消しにしても、バランスシートに変動はないから、それでも良いことになるが、コラムの執筆者「越渓」氏は、そういう御意見なのか。

そもそも、国の公債を「国民」が買っている、という前提も間違いだろう。詳細は知らないが、外国政府や外国人・外国企業も、大量に日本国債を買っているはずだ。

あるいは、国民は国債を買ってくれるから、国の返済資金は枯渇しないという趣旨だろうか。しかし、国民が国債を買うのは、国が確実に返済してくれる(利息付きで)という信頼があるからだ。「国民が国債を買うから国は破綻しない」という理論は、「国は破綻しないから国民は国債を買う」という理論を前提としている。つまり循環論法である。

私に経済学の基礎知識がないから、このコラムを理解できないのだろうか。このコラムを読んで、「アメリカの住宅は必ず値上がりするから貧乏人にどんどん貸し付けても破綻は発生しない」という理論とどこが違うのか?と思うのは私だけなのだろうか。(小林)

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コメント

小林様のおっしゃるとおりだと思います。
この日経記事はあまりにもひどいと思いました。

投稿: | 2009年4月16日 (木) 20時04分

心強いコメントをありがとうございます。

投稿: 小林正啓 | 2009年4月16日 (木) 23時41分

突然のコメント失礼します。
ちょっと気になったので書かせてください。
小生はこの日経記事に多いに賛同しております。

「日本の国債は円建てで、そのほとんどが日本人の資産」
これが日本が破たんしない十分な理由だと思っています。

>そもそも、国の公債を「国民」が買っている、という前提も間違いだろう。詳細は知らないが、外国政府や外国人・外国企業も、大量に日本国債を買っているはずだ

国債について、浅はかではありますが↓↓

日本円はハードカレンシー、つまり国際銀行間取引などの決済に使える通貨です。
自国通貨がハードカレンシーではない場合、その国はドル建てなどで国債を発行することもあります。
ドル建てで作った借金は当然ドルで返済しなければなりませんので、自国通貨をドルに換えなければなりません。
一方、日本の国債は円建てです。自国通貨を刷って、借金を返すことができます。
(これが国の借金と企業の借金とでは全く違う理由です)
ちなみに日本のインフレ率は世界最低水準、ハイパーインフレには程遠い。

日本の国債の95%が国内の機関投資家、個人、郵貯等により消化されており、
海外消化は5%に過ぎません。

誰かの借金は誰かの資産。
日本政府の借金はほとんどが日本人の資産というわけです。


以上は三橋貴明さんや廣宮考信さんという方のブログの受け売りです(汗)
小生の駄文ではつたわりきらないかもしれませんので、
お時間のあるときにぜひ彼らの著作やブログを一度ご拝読いただけたらと存じます。

駄文失礼しました。

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp

投稿: 通りすがり | 2009年4月17日 (金) 22時55分

これに関しては色々用語法の誤りがありますので、
それが誤解の原因かと思います。
分かりやすくいえば、家族間で金の貸し借りをしても、
家族全体が破産することがないということです。
そして、日本の国債については、米国のそれと異なり、
大半が国内で消化されています。
従って、少なくとも現状の国債引き受け状況が
持続するかぎり、日本は国家として破産しない、すなわち
債務超過に陥らないというのは、全くその通りです。
定額給付金の理解など、経済の基礎知識がないと
おかしな誤解が生じますので、やはり基本的な勉強を
されてからコメントした方がよいと思います。
世間では法の専門家も経済の専門家も同じ「専門家の意見」として
理解してしまいますので。

投稿: | 2009年5月11日 (月) 17時14分

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