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2009年5月25日 (月)

オランダ人記者訪問顛末

先日、オランダ大使館から依頼があり、オランダ王国科学技術アカデミーラテナウ研究所のレムケ・クラップワイク女史と通訳を交え、日本語とオランダ語と英語ちゃんぽんで、1時間ばかり面談した。外国ネタが続くが、ICRA2009との関連はなく、時期的には偶然の一致のようだ。

オランダの次世代ロボット産業はどうなっているか、私には知るよしもないが、女史によれば、オランダの産業が次世代ロボットを開発するにあたり、法的問題点を聞きたいとのことであった。

印象に残った質問としては、「安全の問題や、法的責任の問題は、次世代ロボットに限ったことではなく、ほかの工業製品についてもあります。なぜ、次世代ロボットについて安全を論じる意味があるのですか?」というものがあった。これに対して私は、「次世代ロボットには、人間と接触する場所で、自律的に動く、という特徴があります。今までの工業製品は、人間が直接操作していましたから、ロボットが作動して他人に損害を与えた場合、操作した人間や所有者が責任を負っていました。ところが、自律的に動くロボットの場合、直接操作する人間がいないので、法的責任は所有者を飛び越えて、メーカーに問われることになり得ます。このことは、次世代ロボットを開発製造する人たちにとって脅威になっていて、次世代ロボット産業振興の障害になりかねません。そこで、次世代ロボット産業を振興するという観点からすれば、次世代ロボットによる事故が起きたとき、どこまでがメーカーの責任で、どこからがユーザーの責任であるかをなるべく明確に分けてあげること、それでも残ったグレーの部分については、保険でカバーできるようにすることが必要です」と申し上げた。この答えで適切だっただろうか。

ICRA2009のセッションでも、同じような問答があった。このとき、イタリアから来た研究者は、「法的責任はロボットにある」と力説し、私や、スペインの弁護士は、「ロボットは法的責任の主体にならない」と指摘した。このような問答は、数年前は日本でもした記憶がある。理系研究者と文系法律家の認識の違いという観点からも、国際的な問題意識の共通性という観点からも、なかなか興味深い問答だと思う。

女史からは御礼にと、陶磁器のお皿と、灰皿をいただいた。灰皿は、煙草を置く場所が木靴になっていて、とても可愛らしい。(小林)

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