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2009年7月29日 (水)

ライフログとプライバシー問題の法的切り分け(試論2)

単一端末型

端末横断型

自己回帰型

A

C

外部提供型

B

D

第一に、Aの「自己回帰型で単一端末型」の例としては、アマゾンドットコムの画面に、ユーザー本人の購買履歴が表示される場合があげられる。この場合には、プライバシーの問題は、とても小さいと考えて良い。もちろん、ユーザーの中には、自分の購買履歴をアマゾンが把握し、自分に教えてくれるというサービスさえ、不愉快に思う人もいる。そのような人には、サービスを断る機会(オプトアウト)を提供すればよい。

第二に、Bの「単一端末型で外部提供型」の例としては、アマゾンドットコムで、ユーザーの購買履歴を他のユーザーに通知するサービスがこれにあたる。冒頭にあげた、「この商品を買った方はこんな商品も買っています」という表示は、Bに該当する。

この場合には、あるユーザーの購買履歴は、当該ユーザーの個人情報にあたるから、これをそのまま、第三者に提供することは、本人の事前の同意がない限り、許されない。「綾波レイのフィギュアを購入した小林正啓さんは、綾瀬はるかのDVDも購入しました」と、他人に勝手に教えられたらたまらない。

しかし、アマゾンも、鈴木花子さんも、私の個人情報を知りたいわけでも、第三者に提供したいわけでもない。利用したいのは、「小林正啓」という個人の属性を取り去った抽象的な情報だ。だから、「単一端末型で外部提供型」の場合、ユーザーの個人情報から個人の属性を除去して抽象的な情報にしてしまえば、プライバシーの問題は起きず、第三者提供は可能になる。アマゾンが実際にやっているのはこのようなサービスであり、法的には全く問題がない。すなわち、抽象化が完全である限り、事前の同意さえ必要ない。

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