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2010年3月26日 (金)

「複雑化」と「システム思考」について

 科学技術振興機構研究開発戦略センター戦略センター上席フェローの木村英紀氏が、平成22年3月18日の日本経済新聞朝刊「『ものづくり』再論トヨタ問題の含意」に論考を寄せている。

 トヨタ問題の本質は、ABSと回生ブレーキという二つの異なった複雑なシステムが出会ったときに起きた、複雑さの2乗というべき相乗効果に、トヨタのシステム思考がついて行けなかった点にあるという。この複雑さの相乗効果に対応するためには、新たなシステム思考が必要であり、それは、きわめて高度な、目に見えない論理であって、「技術の科学への深い素養と、一つの専門に安住しない複数の領域を横断する強い意欲と、そして個別から普遍を取り出すことのできる研ぎ澄まされた抽象力を必要とする」と説く。そして、「匠の技」に頼る、高度な労働集約型を誇る日本は、この種のシステム思考には不向きであり、新たな人材育成が急務であるという。

 一読して深い見識と洞察に裏付けられた言葉であると思う。特に、「研ぎ澄まされた抽象力」が日本人にもっとも欠けている、という指摘は、耳が痛い。

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コメント

弁護士業界に当てはまりそうな話ですね。
ごく一部の事務所しかシステム化した管理はしていない。
そして昔からの弁護士は数少ないシステム化された事務所を敵視する。それが日弁連の指針というレベルにまでなると数少ないシステム化された事務所の中には不当な競争制限として公取委に持っていく弁護士も出てくる(現に出てきた)。

公取委の結論がどうなるかは別として、世界の中の日本ということを考えた時、どちらが正しいのかは明らかだと思います。

投稿: sate | 2010年3月28日 (日) 19時51分

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