東京・練馬駅前商店街に街頭防犯カメラ76台設置 1度の設置数としては都内最大規模
今朝の「めざましテレビ」で、次のニュースを放送していた。
東京・練馬区の練馬駅前商店街に、街頭防犯カメラ76台が一挙に設置された。
76台の街頭防犯カメラが設置されたのは、練馬区の商店街で、1度に設置する数としては都内でも最大規模だという。
地元の防犯協会や警察署、区役所などでは、「東京都安全・安心まちづくり条例」に基づき、2009年11月から犯罪防止策を協議して、今回の設置を決め、設置費用は総額およそ2,300万円にのぼるという。
防犯カメラで撮影された映像は、およそ1週間保存できて、犯罪捜査に使われるということで、犯罪の抑止効果も期待されている。
大塚キャスターが、練馬駅前商店街の担当者と電話で話す様子が放送された。担当者によると、防犯カメラ設置の目的は、犯罪やゴミの不法投棄等の防止にあるという。76台という都内最大規模の設置数は、逃走経路をもれなくチェックするため必要最小限の台数なのだそうだ。
プライバシーの問題について、担当者はこう答えていた。「まず、このカメラは人間が見ているわけではないので、監視カメラではありません。映像を再生するのは、犯罪が起きて警察からの要請を受けたときだけですし、画像は1週間で消されます。」
しかし、人間が見ていないから監視カメラではないという理屈はない。また、警察からの要請がない限り再生しないなら、不法投棄に対する抑止効果は事実上ゼロになる。しかも、いったん犯罪が起きたときは、その犯罪と関係があるかもしれない画像は半永久的に(少なくとも犯人が逮捕されるときまで)は保存されるし、同種の犯罪が繰り返されるようなら、間違っても1週間で消されない。
例えばスリがあったとして、被害者が「犯人はたぶん男女二人組」と証言したら、76台のカメラが撮影したカップルは、全ていったん捜査対象になり、その行き先は銭湯(古いね)にせよホテルにせよ、全てチェックされるだろう。怪しいカップル(もちろん、犯人の疑いがある、という意味だが)は、住所氏名や前科前歴、男女の関係か否かまで調査されるだろう。コンビニやゲームセンターの前などにたむろする20歳前後の若者たちの画像は、いつか必要になるかもしれない「面割り」のため保存されるようになるだろう。要するに、街頭防犯カメラを2300万円もかけて設置する以上、「警察の要請がない限り再生せず、画像は必ず1週間後に消去される」はずがないのだ。そもそも、警察の要請があれば無条件に開示するのだろうか?それはそれで問題がないのか?
私は、街頭防犯カメラ設置すべきではない、と述べているのではない。どちらかと言えば、設置に賛成する立場を取っている。ただ、設置するときに、その運用方法を誤魔化すことは、とてもよくないことだと思う。適正な設置運用基準を制定して、これを守って運用する仕組みが必要だと考える。
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