防犯カメラ設置で埼京線痴漢被害半減
2010年4月2日の報道によると、昨年末埼京線の一部車両に計6台の防犯カメラを取り付けたところ、1、2月の痴漢被害が15件と、ほぼ半減したという。警察庁は「一定の抑止効果が出ている」としていると報道された。
しかし、埼京線の車両が全部で何台あるのか知らないが、1本10両として、10本や20本はあるだろう。とすれば車両数は100台から200台だ。このうちたった6台に防犯カメラをつけただけで(しかも、報道によると全方位カメラではないし、2台一組のようなので、車両としては3台に過ぎないし、死角も広い)、全体の痴漢被害が半減というのは、どういうことだろう。
そもそも冬は痴漢被害が少ないのではないか、という気もするが、それが原因ではないとすると、次の二つの原因が考えられる。
一つは、実際に取り付けたカメラは6台だが、全車両には案山子のカメラが取り付けられていた場合。これなら痴漢被害半減の報道にも納得がいく。しかしそれでは実証実験として適切か疑問だし、予算も取りにくいだろう。実際のところどうなのか、埼京線で通勤している方、教えてください。
もう一つは、痴漢被害半減は、カメラ設置そのものの効果というより、そういった報道の効果、いいかえれば、痴漢検挙に対する決意表明の効果として、痴漢に対する心理的抑制が働いた可能性だ。こちらの場合は、しばらく時間が経つと心理的抑制効果が薄れ、痴漢が復活する可能性がある。
いずれにせよ、この台数、この期間で「効果があった」と言うのは拙速に過ぎるだろうし、女性専用車両増加などの低コストの代替手段と比較検討する必要があろう。
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