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2010年6月27日 (日)

弁護士は「社会生活上の医師」?

「法の支配を社会のすみずみに」と恥ずかしげもなく言える弁護士はさすがに減ってきたようだが、「弁護士は社会生活上の医師」と言う弁護士は未だに多い。司法修習生への貸与制実施に反対する5月21日の日弁連総会決議にも、この言葉が2回も出てくる。だが、恥ずかしさでは「社会生活上の医師」の方が上だ。言っている本人は、自分の医師コンプレックスに気づいていないのだろう。

医師と弁護士の仕事がもつ社会的意義は、全然違う。医師の仕事を一言で言えば、人の命を救うことであり、これはかなり絶対的な善である。「自殺を試みた極悪非道な殺人犯に蘇生処置を施すべきか?」などというブラックジャック的シチュエーションでもなければ、異を唱える人はいまい。だから、医師がその仕事を全うすれば、誰からも尊敬される。

これに対して、弁護士の仕事を一言で言えば、依頼人の利益を実現することであり、これはとても相対的な善である。つまり、敵からみれば悪ということだ。それどころか、第三者や一般国民からも悪者呼ばわりされうる。強姦の被害者を救済するため犯人を告発することも弁護士の仕事なら、和姦でなかったかと被害者を攻撃することも弁護士の仕事だ。だから、仕事を全うした弁護士は、少なくとも相手からは怖れられ、憎まれ、あるいは軽蔑される。

念のためお断りしておくが、私は自分の仕事を卑下しているわけでもなければ、自虐ネタをかましているわけでもない。要は、弁護士の仕事と医師の仕事は違う、と言っているだけである。

社会生活上の医師でないなら、何にたとえるのか?と聞かれたら、私は多少の迷いを留保しつつ、こう答えたい。

弁護士は、社会生活上の傭兵である。

傭兵と言ったって、そんなに悪い話ではないだろう。私が最もあこがれる映画は、「七人の侍」である。(小林)

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コメント

私に向かって銃を向けてくるかもしれない庸兵を育てるのに、私の支払った税金を使うのは勘弁して欲しいと思いました。

投稿: 私の税金を使わないで! | 2010年6月29日 (火) 05時30分

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 先日、「こんな日弁連に誰がした」(平凡社新書)の著者でもある、... [続きを読む]

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