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2010年8月 9日 (月)

玄葉光一郎改革相は霞ヶ関の暗殺者リストに載ったか

7日の日本経済新聞は、玄葉光一郎公務員制度改革相が、国家公務員の総人件費を二割削減する工程表を作る考えを示し、公務員に労働基本権付与に向けた検討に着手すると報じた。

国家公務員は、争議権をはじめとする労働基本権を厳しく制約されている。その代わり、身分保障を受け、人事院によって、民間企業を参考にした給与体系に守られている。つまり、労働基本権の制限は、国家公務員の身分・所得保障と裏表の関係にある。多少意地悪な言い方をすれば、公務員は、ストを行わずに、ストを行ったのと同じだけの所得を得ることができる。だから、労働基本権の「制限」は、国家公務員にとって、「守るべき権益」であり、逆の立場から見れば、改革の要なのだ(以上、原英史「官僚のレトリック」(新潮社)より)。

原英史氏は、自民党政権末期に公務員制度改革に取り組んだ経験に照らし、民主党政権は、支持基盤である公務員労組に遠慮して、公務員制度に及び腰と指摘する。

この指摘にもかかわらず、玄葉光一郎改革相は、公務員制度改革の要に正面から切り込む姿勢を示したことになる。

もっとも、この言葉を文字どおり受け止めるのは時期尚早だろう。玄葉改革相は、「公務員への労働基本権付与…に向けた検討に着手する」と発言しているが、原英史氏によれば、この検討は着手どころか、とっくに終わっていて、実行を待つだけだそうだ。この立場からすれば、玄葉改革相の発言は、「改革をやる気がない」ことを意味している。

逆に、玄葉改革相が本気だったらどうか。長谷川幸洋著「日本国の正体」によれば、故中川昭一財務大臣の「朦朧会見」(2009年)や、高橋氏の万引き事件(2009年)、本間氏の「愛人と官舎同棲」スキャンダル(2006年)は、公務員制度改革をはじめとする行政改革に反対する官僚が仕組んだ罠だという。もしこれが事実であり、かつ、玄葉改革相の発言が本気であったとすれば、今後、同相をめぐるスキャンダルネタがマスコミを賑わせることになる。今後の成り行きが注目される。

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