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2010年8月 1日 (日)

「こん日」第二版が出るらしい

おだもっこさん、ありがとうございます。「瓢箪から駒」になるよう、がんばりたいと思う。
 でも、給費制維持運動の本質は、すでに「
こん日」の初版に書いたので、第二版が出るとしても、章の追加はないが。

ところで、貸与制に反対する弁護士会決議の中には、「貸与制になれば、経済的事情から法曹への道を断念せざるを得なくなる者が続出」するとか、「お金持ちしか弁護士になれない」とか主張するものがある(愛知県福岡県鳥取県など)。これは明らかなミスリードだ。

貸与制の概要は、裁判所のホームページで公開されている。貸与は月額原則23万円で、返済は修習終了後6年目から10年間の均等払い(無利息)だ。1年借りた金を10年で返すのだから、返済額は10分の1、月額原則23000円となる。

すると、上記の反対決議は、弁護士登録6年目からの月額23000円の負担増を理由に、「法曹への道を断念せざるを得なくなる者が続出」すると主張していることになる。

そんな馬鹿な話は無い。法科大学院奨学金の返済分を足しても同じことだ。弁護士を目指す若者でありながら、弁護士になって6年目にして、月額数万円の負担増に耐えられなくなると危惧して、法曹になることを諦めやしない。もし諦める者がいるとすれば、その原因は貸与制や奨学金ではない。月額数万円の負担増に耐えられないほど、収入が少ないことが問題なのだ。

マスコミの弁護士バッシングをミスリードと批判する弁護士自身が、こんなミスリードをするのは、見苦しいし、はしたないと思う。万一、本気で言っているなら、弁護士としての能力を疑われる。

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コメント

 「明らかなミスリード」と言えますかどうか。
1 弁護士の収入が少ないことは我々にとって本質的な問題であることは同感です。ですが、それを社会やマスコミが本質的な問題と理解してくれることは期待しづらいと考えます(さらに言えば、収入増の実現はもはや困難なのかもしれません。)。

2 弁護士の収入が少ないことに対する処方箋として、論理的には、(1)弁護士の収入を増やす(2)弁護士の支出を減らすのふたとおりが考えられます。これらの処方箋は、法曹の魅力を高めるための手段として、排他的なものではありません。

3 とするならば、社会やマスコミの理解が比較的得られやすい方法で、法曹の魅力を高めることを訴えることは、より本質的な方法が別にあるとしても、ミスリーディングとは言えないことは明らかではないでしょうか?

4 また、月額2万3000円の負担増であったとしても、いまから法曹の世界に飛び込もうとする人にとっては、奨学金に加えて300万円の債務を追加で背負うことになることは、飛び込みを躊躇する要因のひとつになったとしてもおかしくないとは言えませんでしょうか?

投稿: なしゅ@東京 | 2010年8月24日 (火) 22時00分

なしゅさん、コメントありがとうございます。
「弁護士の収入が少ないことに対する処方箋」とのことですが、給費制維持運動の目的は、弁護士の収入を維持して法曹の魅力を高めることにあるのですか?私は違うと考えていましたが。
4については、本文に書いたとおりです。

投稿: 小林正啓 | 2010年8月25日 (水) 21時34分

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同業者が分かりやすく問題点を指摘してくれていると、何だか嬉しくなる。 &自分の文章力の乏しさに情けなくなる。 [続きを読む]

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