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2010年11月 8日 (月)

MAD石黒

117日、ATRのユビキタスネットワークロボット研究開発運営協議会に出席した。今回私は評価委員という立場で、様々な研究開発成果のデモンストレーションを拝見し、評価したり批判したりするというお仕事だ。聖アンナ大学のPaolo Dario教授や、カタルーニャ工科大学のAlberto Sanfeliu教授も見えたので、バイリンガルの会議だが、もちろん私には、英語はほぼ100%分からない。

各研究は主としてお年寄りの生活を補助するコミュニケーション・ロボットの開発だ。老人大国日本では介護職員が圧倒的に少ない上、認知症の老人の話し相手は同じ話を延々聞かされるので負担が大きい。そこで、例えば人形のようなロボットに自動的に頷かせたり合いの手を入れさせたりすると、それだけでお年寄りは満足することがある。もちろん双方向性の会話が可能なロボットも開発中だが、まだ、人間のレベルにはほど遠いので、ロボットの自律機能では対応できない部分は、人間が遠隔操作をすることになる。法的見地から見ると、人間側のライフログを、どういうルールでロボット側に伝えるか、という点が問題になると感じた。

会議の合間に「MAD石黒」こと石黒浩研究室にお邪魔して、Geminoid-FTelenoid-R1の実物を見学させてもらった。

Geminoid-F先日ご紹介したアンドロイドだが、実物を見ると、「ふるいつきたくなるような」超美人である。石黒教授の説明によれば、ロシア人と日本人のハーフのモデルから型を取ったとのこと。ここまでリアルな美人だと、よからぬ目的で使う研究者も出ませんか?と聞いたら、そういう用途には使用しないと契約書に明記したとの返事だった。なるほど。でも、どういう文言で契約したのだろう?見せてもらえばよかった。

Telenoid-R1は、逆に、子どものお化けのような、手足も個性もない、白塗りのアンドロイドだ。口の悪い研究者は「犬神系」と言っていた。石黒教授によると、お年寄りにだっこさせると、人種国籍を問わず、感情移入をして、しばらくすると手放さなくなるという。

二種類のアンドロイドは、どちらも自律的なコミュニケーション能力を持たない。必要があるときは、人間が楽屋からマイクを通じて話をする。しかし、人間は、これらのアンドロイドが一切話さなくても、話しかけ、感情移入し、満足することができる。その様子を見学させてもらうと、いったい、コミュニケーションとは何なのだろう、と考え込んでしまう。

久々にMAD石黒教授のMADぶりを目の当たりにして、より尊敬の念を強くした一日だった。

Telenoid2_2

Geminoidfrobot_3

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