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2011年2月 1日 (火)

目を覚ますと、船は漂流していた。昨夜の嵐で、舵も帆もオールも錨も失ったのだ。遠くから滝のような轟音が響いていた。

乗客は船長に尋ねた。「この船は、どこに行くのですか?」

目を開けて船長が答えた。「舵を失う前に、船を港に向けた。もう着いた頃合だ」

「どこにも陸地は見えませんが」乗客が言うと、船長は「そんな筈はない」と答えて目をつぶった。港はまぶたの裏に見える、と言いたげだった。

甲板に出ると、航海士が空を見上げていた。

「この船は、どこに行くのですか?」

航海士は答えた。「前は滝だ。嵐でパニックになった船長が、滝に向けて舵を切った。この船は滝に呑まれるだろう」

「大変だ。なぜ船を止めないのですか?」

上を見たまま航海士は答えた。「私は風を読むのに忙しい」

船底では、操舵士が壁を押していた。

「何をしているのですか?」

操舵士は答えた。「船尾に向かって壁を押して、船を止めるのです」

あきれた乗客は再び甲板に出た。甲板では、一つしかない救命ボートに乗客が殺到していた。

バランスを失って、船は転覆した。

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コメント

 壁を押すと、少しは船の動きが遅くなるんですよ。

投稿: なしゅ@東京 | 2011年2月 2日 (水) 22時07分

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