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2011年6月17日 (金)

グラン・トリノは清志郎の魂を乗せて雨上がりの夜空を走る

 グラン・トリノは、フォードのヴィンテージ・カー。朝鮮戦争に従軍し、フォード社の組立工として働いたコワルスキー(C.イーストウッド)は、長年連れ添った妻を亡くした後、磨き上げた72年製グラン・トリノを眺めてビールを飲むことを無上の楽しみとする、頑固で口が悪くてすぐ銃に手を伸ばす偏屈老人だが、ひょんなことから、10代のアジア系移民姉弟を家族のように見守ることになる。彼らを仲間に引き入れようとする街のチンピラが、弟に暴力を振るい、姉をレイプしたとき、コワルスキーは、C.イーストウッドがそれまで演じてきたキャラクターからは想像もつかない方法で、姉弟を守る行動に出た…。

感動した。他人に勧めて回る映画というのは滅多にないが、絶対見て損はない。

何より、C.イーストウッドが格好良い。旧友と悪態をつき合い、亡き妻を世界最高の女性と公言し、72年製フォードとビールと、50年かけて集めた工具をこよなく愛し、罪から逃げず、子どもに人生を教え、死に臨んで服を新調する。まるで「雨ニモ負ケス」のようだが、こういう男に、私もなりたい。

ラストに流れる歌が泣かせる。訳してみると、「雨上がりの夜空に」(忌野清志郎)と同じ歌と分かる。クルマに対するオトコの愛着は、古今東西不変なのだ。英語の歌詞を和訳するなど、まるで中学生だが、お許しいただきたい。歌詞と和訳についてはこちらのサイトを参考にさせていただいた。ちなみに、ものすごく意訳している。

Grand Torino

君の過去も未来も、すべてが愛おしい
君は素顔のままで、とても素敵だ
優しい風が君の中を通り過ぎ、旧い歌をささやく
エンジンをかければ、思いがあふれ出す
その思いは、グラン・トリノとともにある

満天に再び星が輝き、行方を照らす
僕はビールを飲み、戦争の傷や、きしむベッドを思い出す
旧い通りが木々の梢越しにきらきら光るのは、君との思い出があるから
君との小さな思い出の一つ一つが、世界のすべてだ

勇気を出して言おう、僕は君のそばにいたい
きらきら光る君の手で、僕に触れてほしい
君との小さな思い出の一つ一つが、世界のすべてだ
君の鼓動を抱いて、僕は一晩中走り続ける

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