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2011年7月 1日 (金)

なぜ怒らないのか大阪人?!

バックライトで照らすタイプの広告(電照広告)がある。その電気代は、広告主が電力会社に直接支払うのではなく、広告代理店などに支払う場合が多い。

この夏、ある広告代理店から広告主に、「バックライト消灯のお願い」と題する書面が配布された。関西電力による15%削減要請を受け、バックライトを消すから、「ご理解を賜りたい」というわけである。「ご理解」した見返りがあるのか、については何も書いていない。どう対応すれば良いか、という相談を受けた。

非道い話だと思う。

確かに電気代は減るだろう。だが電照広告掲載契約は、バックライト点灯が当然の前提だから、消灯すれば、債務不履行だ。しかも、減った電気代は、広告代理店の利益になる。仮に電照広告の電気代が年100万円かかるとして、削減目標を達成すれば、広告代理店は年15万円の儲けになる(ホントはもっと複雑な計算だろうけど)。一方広告主は、バックライトが消えることにより、広告効果の半分は失うだろう。薄暗い地下道なら、広告効果の全部を失うと行って過言でない。また、貧乏くさい印象になるから、レジャーランドや化粧品などの広告効果へのダメージも計り知れない。広告主から見れば、例えば100万円かけて広告を掲載することは、それ以上の、例えば500万円の利益を期待してのことだから、損害は100万円ではなく、期待利益である最大500万円になる。

つまり電照広告を消灯することは、広告代理店の債務不履行を放置し、かつ、広告主の犠牲のもとに、広告代理店が儲かる仕組みである。法的には、広告主に契約解除権や、損害賠償請求権が認められて然るべきだし、少なくとも、広告効果減少分に相当する代金の返還請求が認められなければならない。

しかし、私が一番驚いたのは、他の広告主が粛々と要請に従っているようだ、という相談者の発言だった。

お金にうるさいことで知られる大阪経済人が、この理不尽な出来事に対して、なぜ安穏としているのか、まるで理解できない。

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コメント

企業としては、そのままバックライトを照らしていることのレピテーショナルリスクを考えると、理不尽だと思っていても、合理的選択であると思います。
すなわち、契約に拘泥していることによって、節電に非協力とのレッテル張りをされるリスクを考慮するものでしょう。

この際には、「世論」なる化け物相手であって、法が無力である分野であるとも思います。
このようなムードを醸成した関西電力を訴えるということもあり得るのでしょうが、関電の要請が特定人を対象にしたものでない以上、厳しいかとも思いますし。

せいぜい、代理店と値下げ交渉をすることぐらいしか考えられないですが、分が悪そうです。

投稿: 場末の手習い | 2011年7月 4日 (月) 00時54分

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