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2011年7月26日 (火)

「高額な」弁護士会費は人権活動に使われているのか?

「弁護士会費は人権活動のため使われている」という意見がある。多くの弁護士は、そう信じて疑わない。

だが、この意見は正確ではない。直接的には、人権活動に使われているお金はほとんど無い。

平成22年度大阪弁護士会の決算書を例に説明しよう(1万円以下切り捨て)。

実収入173411万円のうち、会費収入は164912万円。95%が会費収入だ。

これに対し、実支出は108000万円。主たる内訳は、次のとおりだ。

管理費

¥663,913,672

事業費

¥195,913,590

会館建設借入金返済

¥150,360,000

委員会会費

¥37,701,718

分担金・補助費

¥32,172,500

合計

¥1,080,061,480

「管理費」で最も多いのが約100人といわれる職員の「給料手当」28108万円。8人いる役員給与は合計2880万円だ。次に多いのが「会館建設借入金返済」で、利息と合計すると21275万円になって「事業費」を超える。

賢明な読者は、収入16億で支出10億なら計算が合わないことに気づかれただろう。22年度決算に特別なことか否かは分からないが、この差6億は、「積立資産」に振替になっている。

まとめるとこうなる。

積立金

6

職員の給与

3

会館ローンの返済

2

会館の管理・事業費

2

その他

3

さらに大胆にまとめると、弁護士会費の大半は、物的・人的インフラとしての「弁護士会(館)」の維持管理と運営のために使われているのだ。

それなのになぜ、「弁護士会費は人権活動に使われている」という意見が成り立つのだろう。

それは、弁護士会館が弁護士にとって、収益の拠点ではなく、会務活動の拠点だからだ。そして、会務活動の大半は、人権擁護や公益活動に対するボランティア活動に費やされている。大阪に限らず、弁護士会館は法律事務所の多い「弁護士村」の中心に建てられており、弁護士は無料で気兼ねなく弁護士会館の会議室を借りて会議を開催する。これが、弁護士会活動の原動力になっているのだ。すなわち、弁護士会費の大半は、直接的には弁護士会館の維持管理と運営に投じられているが、会館における弁護士会活動を通じて、間接的には人権活動のために使われている、ということができる。

もっとも、弁護士会活動が客観的に見て、人権擁護にどれほどの役に立っているかについては、弁護士の中にも、様々な評価があるところだろう。

それにしても、会費収入の3分の1以上を積立金に回すなんて、大阪弁護士会は金が余っているのだろうか。

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