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2011年7月28日 (木)

「高額な」弁護士会費は人権活動に使われている…のか?

表題の前エントリは、意外にも、そして、ありがたいことに多数のアクセスをいただいた。そこで指摘したとおり、弁護士会費の多くは、「ハコ」としての弁護士会館と、そこで働く職員の人件費に使われている。驚いた弁護士も多いようだが、私としてはむしろ、驚いた弁護士が多いことに驚いた。こんなことは、ちょっと会務をかじった弁護士なら、決算書を見なくても、すぐ分かることだ。

もちろん、これもすでに指摘したとおり、弁護士会館という「ハコ」の存在は、弁護士の使命である社会正義と人権の実現にとって、決して無縁ではない。弁護士村の中心にあり、気軽に無料で借りられる会議室を備えた弁護士会館は、人権活動の拠点というにふさわしい(皮肉に聞こえますか?決してそんなことはありません)。

だが、「ハコ」としての弁護士会館(と職員)が、弁護士の社会的活動にどれほど役に立っているか、については、「高額な」弁護士会費を払っている当事者としては、やはり、厳しく検査しなければならない。

例えば大阪弁護士会は、会員弁護士数は東京弁護士会の半分強であるにもかかわらず、職員数は東京弁護士会を超えるといわれている。質量共に東京弁護士会に倍する活動を行っているというのでなければ、どこかに大きな無駄があるといわざるを得ない。

また、弁護士会につきものの総務的事務(会員管理や会費管理など)が、弁護士会毎にバラバラに運営されているのは、ものすごく非効率だ。いうまでもなくその最右翼は東京3会であり、同じ建物に3つの弁護士会があって、互いに競争関係にあるわけでもないのに、同じような仕事を3つそれぞれバラバラに遂行している。非効率も甚だしい。この3会の総務的業務を統合するだけでも、職員人件費と会館スペースは大幅に効率化できるだろう。それにもかかわらず、東京三会の弁護士は、月額5万円(年60万円)前後の会費を文句も言わずに払っている。この余裕ぶりからして、月23000円ほどの貸与金返済が何ほどのこともあるまいといわれるのも当然だろう。

なぜこんな非効率が容認されているのか。それは、各弁護士会が自治権を認められているからだ。弁護士自治というと、国家権力等からの自由を想起されるだろうが、わが国の弁護士会は、単位会同士、あるいは日弁連との関係においても、強力な自治権が保障されている。その結果として、弁護士会毎に、会規にしろ会費にしろ、バラバラに管理することが許されているのだ。

私は、この自治権は行きすぎていると思う。狭い日本で、交通・通信事情が発達した今日、例えば関西二府四県の弁護士会が別々である必要性はとても薄いと考える。いうまでもなく東京に3つも弁護士会があることは、効率性の観点からは無駄でしかない。弁護士会費が高いと文句を言う前に、あるいは、給費制に代わる貸与金を返済できないという前に、そして、弁護士会は社会正義と人権擁護に貢献していると胸を張る前に、「われわれのやっていることはいまどき、余りに非効率ではないのか?」という視点を持つべきだと思う。

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