« 統一修習と給費制のあけぼの(4) | トップページ | 統一修習と給費制のあけぼの(5) »

2011年8月11日 (木)

大宮法科大学院消滅の次に来るもの

大宮法科大学院桐蔭横浜大学法科大学院に吸収され消滅すると報じられた。姫路獨協大学法科大学院に続く2校目の撤退であり、第二東京弁護士会の全面協力校が消滅する。もっとも、同校の成績に照らせば、廃校は時間の問題だったから、ネット上の反応も、驚きというより感慨の方が大きかったようだ。

問題は、これからどうなるか、いつ、何が起こるか、ということだ。

法科大学院 入学者選抜実施状況」という資料がある。これによれば、法科大学院の下位校は、ここ12年のうちに15校前後が廃校に追い込まれるだろう。34年までなら、さらに20校前後が廃校するだろう。その結果、法科大学院の入学者数は1学年合計3000人程度になるだろう。

『こん日』231頁に私は、「法科大学院の総定員数は、3000人程度まで削減」されると書いた。自分が書いたこととはいえ、悪寒が走る思いである。

文科省は、受験者数を合格者数で割った競争倍率2倍未満が3年続いた法科大学院に対する補助金を、平成24年度から削減する。そのため、23年度の入試で下位校の多くは合格者数を絞り、2倍以上を確保した。例えば大阪学院大学法科大学院は昨年の競争倍率1.54に対し、本年度は2.09だが、合格者数はたった11人。しかも、実際の入学者数は4人だ。これでは教員の方が多く、「大学院」の体をなさない。

不合格者には気の毒だが、次の選択肢を早期に探せて幸せともいえる。合格した方が悲惨かもしれない。なにより、競争倍率を操作してまで補助金を確保しようとする法科大学院は、誰のために存在しているのか。

他方、セコイ操作をせず、競争倍率2倍未満のままの法科大学院が15校ある。最低なのは関西学院大学法科大学院1.16倍だ。これらはすでに、廃校の覚悟を決めたか、政治力その他の理由で廃校にならない自信があるか、補助金を削減されても学費で経営可能か、いずれかであろう。この15校以外に、競争倍率2倍以上だが、上記同様、最低規模を維持できないものが20校程度ある。これらが、次第に潰れていく。

法科大学院の定員は、平成22年に5765人から4909人に削減されたが、入学者数は4122人だった。23年度は、上記の競争倍率操作により、入学者数が3620人になった。ここから、潰れる大学の定員を引くと、3000人程度になる。

法科大学院の定員総数が3000人になれば、司法試験合格者数年2000人なら、合格率は約7割だ。もちろん、OBも受験するから直ちにそうはならないが、7割に向けて収斂していくことになる計算だ。こうして、合格率7割という法科大学院制度創設当時の制度設計は、合格者数2000人を前提とするとはいえ、一応の達成を見ることになる。

めでたし、めでたし。(たぶん続く)

|

« 統一修習と給費制のあけぼの(4) | トップページ | 統一修習と給費制のあけぼの(5) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/192469/52447731

この記事へのトラックバック一覧です: 大宮法科大学院消滅の次に来るもの:

« 統一修習と給費制のあけぼの(4) | トップページ | 統一修習と給費制のあけぼの(5) »