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2011年10月19日 (水)

文科省が「遺体捜索ロボット」開発支援

1013日の日本経済新聞夕刊によると、文部科学省は震災の反省を生かし、「使える災害ロボット」実現を目指すため、5年間で11億円の予算を計上する。開発するのは「がれきに埋もれた被災者を助けるロボット」「素早く人命救助するパワードスーツ(装着型ロボット)」「水中での被災者を捜索するロボット」の3種で、当面は「がれき内部の複雑で狭い空間を三次元画像で把握できる技術や、海水やヘドロの中で被災者を捜すセンサー技術を開発する」という。

つまり、このプロジェクトは当面、遺体捜索ロボットの開発を考えていることが分かる。確かに、行方不明者の安否にかける家族の心情は察するに余りあるが、他方、遺体捜索に携わるレスキュー隊員の疲労と精神的苦痛と健康への悪影響は莫大だし、生存者捜索に人手を割きたい現場の要請もあろう。24時間働けて健康被害の心配がない遺体捜索ロボット開発は、大地震が教えてくれた悲しい需要である。

しかし、遺体捜索のためのセンサー開発は、なかなか難しいと思う。遺体には体温がないし、がれきや土の中、濁った水の中では、目視が不可能だからだ。強力な超音波や電波による三次元の空間解析技術や、針で突き刺しまくってタンパク質反応を見る、等のセンサーになるのだろうか。前者のやり方では人形や沈木などとの誤認は避けられないし、後者のやり方では魚や動物の死体、食物にも反応してしまう。誤認率の低下が課題になるかもしれない。

いずれにせよ、遺体捜索ロボットに法的問題は発生しないと思われる。死体損壊罪(刑法190条)の適用が一応問題になるが、捜索手段として適切な範囲で遺体に傷を付ける程度なら、少なくとも違法性が阻却されると考えて間違いない。

復興予算の横取りとか、見方はいろいろあるだろうが、ロボット技術者の方には、成果を期待したい。

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