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2011年10月 5日 (水)

弁護士法人2件目の破産

注;この記事は、全て想像による架空のものです。実在する個人や団体とは一切関係ありません。

史上2件目

東京都に本店を持つ弁護士法人XXX(トリプルエックス)は、104日、東京地方裁判所の破産手続開始決定を受け倒産した。日本の弁護士法人が裁判所の破産手続開始決定を受けるのは、制度開始以来2件目。負債総額は約20億円。

この弁護士法人は、5年前創立。印象的なテレビCMと、消費者金融に対する過払金返還請求で規模を拡大したが、グレーゾーン金利の撤廃や、大手消費者金融が破綻したため、売上が低下。昨年末、多数の長期未済事件があるとして所属弁護士会から懲戒処分を受けたことをきっかけに、銀行から借り入れた広告宣伝費の返済が滞り、銀行の申立により破産宣告を受けた。代表弁護士は、「ご迷惑をかけ、大変申し訳ありません。協議の上、最善の方法を考えたい」とツイッターで謝罪したが、現在は所在不明。弁護士法上、弁護士法人の幹部弁護士は無限責任を負うが、情報筋によれば、代表弁護士らにも多額の債務があり、近日中に破産宣告を受ける予定という。

預かり金の処理がネック

弁護士法人が破綻した場合、顧客からの預かり金の処理が問題になる。この弁護士法人は、消費者金融から取り戻した過払い金数億円が、いまだ依頼者に返還されていない。これらの預かり金は、債権者である銀行に預金されているため、銀行が口座を凍結して返還に応じない可能性が高い。弁護士法人に対する銀行の債権と依頼者の債権の優先順位については取り扱いが確定しておらず、処理には時間がかかる見通し。

過払いジプシー

この弁護士法人は1000件以上の未済案件を抱えているとみられるため、その処理が問題となる。弁護士業界の通例としては、事故などがあって弁護士が事件を遂行できなくなった場合、同期の弁護士らがボランティアで事件処理を引き受けていたが、「最近は弁護士の横のつながりも薄くなり、ボランティアで事件処理を引き受ける同期がいない」(日弁連幹部談)という。

さらに問題は、破綻した弁護士法人が「下請け」に出している事件だ。この弁護士法人は、未済事件のうち、暴力団が絡むなど解決困難な案件を、事務所外の弁護士に下請けに出していたと言われている。下請けする弁護士は、過払い専門の法律事務所を渡り歩いて困難事件を安値で請け負うため、「過払いジプシー」と呼ばれているが、倒産した弁護士法人は下請けに出した事件の管理を怠っていた可能性が高く、これらの処理や引継が滞る危険性が高い。

しかも、「過払いジプシー」弁護士の中には、さらに弁護士以外に孫請けに出すという違法行為に手を染めている者がいるため、事件の引継が極めて困難になると予想される。

日弁連は異例の声明

東京地方裁判所から破産管財人に選任された弁護士は、「事態の把握に努め、依頼者の方への弁済を最優先に業務に取り組みたい」と述べたが、先行きは不透明だ。また、「私が依頼している弁護士は大丈夫か」との問い合わせが各地の弁護士会に殺到したため、日弁連は「大半の法律事務所の経営は健全であり、預かり金等の返還請求を急ぐ必要はありません」と異例の声明を出した。

注;この記事は、全て想像による架空のものです。実在する個人や団体とは一切関係ありません。

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