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2011年11月29日 (火)

次世代ロボットの判断ミスと販売・製造者の法的責任

日本精工株式会社(NSKは「2011国際ロボット展(iREX2011)」で、人を先導して移動できる盲導犬型ロボットを出展した。動画を見るとまだぎこちないが、段差などを検知して人を先導する様子が分かる。

環境をセンシングして安全・危険を判断する能力の獲得は、次世代ロボットにとって大きな進歩だ。だが、その判断が人間の安全に直結する場合、「判断ミス」による被害が発生した場合の法的責任はどうなるだろう。

たとえば、盲導犬ロボットが、信号付き横断歩道を勘違いして先導したため、ユーザーが交通事故に遭ったとする。赤を青と間違えることはないとしても、変形交差点、街路樹や通行人やトラックが信号を遮ったための判断ミスはありうるだろう。あるいは、段差をユーザーに伝えなかったため転倒事故が起きたとする。この場合、ロボットの製造・販売業者は、製造物責任や不法行為責任を問われる可能性がある。最悪の場合、業務上過失致死傷罪に問われる可能性も否定できない。

同じ判断ミスが、生身の盲導犬に起きたらどうか。盲導犬の育成者が法的責任を問われることがあるだろうか。適性試験をパスした盲導犬である以上、直感的には、法的責任を問われることは無いように思われる。そうだとすれば、違いはどこにあるのだろう。

実は、犬には、信号の色を識別する能力がないといわれている。見分けくらいはつくという説もあるが、そうだとしても「青は進め」「赤は止まれ」という理解まではできないらしい。つまり、横断歩道を渡ってよいか否かの判断は飼主が行っている。このように、判断の主体が専ら飼主にあることは、盲導犬の育成者が法的責任を問われない、一つの理由になるかもしれない。

このことは、次世代ロボットを開発する場面において、一つのヒントになりうると思う。つまり、人の安全に関わる場合、判断するのはあくまで人間であり、ロボットは判断材料の提供に徹するという考え方だ。盲導犬ロボットが高度なセンサーを備えた白杖である限り、判断ミスによる法的責任を問われることはない、といえる。

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