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2011年11月28日 (月)

現代日本の三権分立と司法について論じなさい

模範答案

三権分立とは、国家権力について、これを3つに分割し、相互依存および相互対立の関係を組み込んだ体制をいう。一般には「立法」「行政」「司法」に分割されるが、実態は、その国の実情に応じて様々となる。現代日本の場合、所在地に従い、「永田町」「霞ヶ関」、そして、「桜田門」と呼ばれる。

日本の司法を三権の一に分類する見解もある。しかし、「ダウニング街10番地」「エリゼ宮」「ホワイトハウス」の例が示すとおり、地名や建物名などの符丁で語られることは、国家権力の要件である。「永田町が動いた」と書けば新聞記事の見出しになるが、「三宅坂が動いた」と書いても意味不明である。このように、日本の司法は三権に属さない。

司法は、狭義には裁判所を指すが、広義には弁護士会、検察庁を含む概念である。すなわち司法内にも三権分立類似の関係が存在する。しかし、相互依存はなく相互対立しかないので、厳密には三権分立ではない。特に、裁判所と弁護士会は1960年代以降、対立のみを繰り返し、親の敵のように憎み合っているため、全体として司法の地位を押し下げ、日本の司法が三権の一と呼ばれない原因の一つとなっている。

さらに、弁護士会の内部にも三権分立類似の関係が見られ、一般には「企業法務」「原理左翼」、そして「貧乏暇無」に分類される。しかし、ここにも相互依存はなく、相互対立のみが存在し、全体としては弁護士会の地位低下をもたらしているだけなので、これも三権分立ではない。現在は、バブル期前の夢を追う「企業法務」と、路線対立と細分化を繰り返す「原理左翼」が対立するなか、多数となった「貧乏暇無」の浮動票が全体意思を左右するため、行為に一貫性がなく、組織としての信用を失いつつある。

講 評

端的にまとまったよい答案です。特に、日本の司法を三権に分類しないという最新の学説をよくフォローしています。あえて難点を指摘するなら、「貧乏暇無」の増加が司法、ひいては日本の三権分立に与えうる影響について言及すればよかったと思います。

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コメント

 たぶん答案作成者は、貧乏暇無弁護士の増加に伴う問題と弁護士経済的自立論との関係という、踏み込むと泥沼になりかねない論点に入り込むことを恐れたのではないでしょうか。
 ちなみに、桜田門といえば警視庁、法務省なら祝田橋になりませんか?

投稿: なしゅ@東京 | 2011年11月29日 (火) 09時29分

なしゅ@東京さま
「桜田門」はもちろん「警視庁」を意味します。
最新の学説によれば、警察は議員も官僚も逮捕するので、「司法」よりよほど三権の一翼を担うにふさわしいとのことです。

投稿: 小林正啓 | 2011年11月29日 (火) 10時18分

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